今年度版「防衛白書」閣議に報告 「中台間の軍事的緊張高まる可能性も否定できない」
木原防衛相は12日の閣議で、今年の防衛白書を報告しました。中国の軍事活動が活発化する中、「中台間の軍事的緊張が高まる可能性も否定できない状況」との認識が初めて記載されました。
白書では、去年8月の台湾の政治日程に合わせた中国の軍事演習について、「対台湾侵攻作戦の一部が演練された可能性がある」と言及した上で、「中国側の軍事活動の活発化により、中台間の軍事的緊張が高まる可能性も否定できない状況」との認識が初めて記載されました。
また、北朝鮮については「質的な意味での核・ミサイル能力の向上に注力している」との評価が初めて言及されたほか、ウクライナ侵略におけるロシアの継戦能力について、「北朝鮮からの砲弾やミサイルの調達などにより、戦力を維持しているものとみられる」と記載されました。
また、今年度末に発足する予定の、陸・海・空の各自衛隊を一元的に指揮する「統合作戦司令部」についての項目も新設され、「統合運用の実効性が向上し、迅速な事態対応や意思決定を行うことが常続的に可能となる」と創設の意義が示されています。