国会議員ら100人超を緊急取材! “日テレ独自”自民党総裁選「党員・党友調査」の反応は?
自民党総裁選挙の告示まで1週間を切る中、日本テレビが、自民党の党員、党友を対象に行った独自の電話調査。さらに日本テレビは、この調査について、国会議員ら100人超への緊急取材を行った。そこから見えてきた各陣営の反応、戦略とは――。
【日テレ独自の党員・党友調査】
今回の調査の最大の特徴は、普段の世論調査とは違い、自民党総裁選に投票権を持つ「党員・党友」に限った調査であることだ。
自民党の総裁選は、現役の「国会議員票」=367票と、「党員票」=367票の合計で争われる。「党員票」は、全国に約100万人いる党員や、党友が投票したすべての票を、ドント方式と呼ばれる計算方法で各候補者に振り分けるものだ。つまり「党員・党友」に限った調査を行うことで、党員票の結果をより正確に見通せるようになる。
【党員は誰を支持しているのか】
立候補を表明したり、検討したりしている12人のうち「誰を支持するか」をたずねた結果は以下の通り。
トップは石破元幹事長で28%、続いて小泉元環境相が18%、高市経済安保相が17%、上川外相が7%、小林前経済安保相が5%、林官房長官が4%、河野デジタル相が3%、青山繁晴議員が3%、茂木幹事長が2%、加藤元官房長官が2%、野田元少子化対策相が1%、斎藤経産相が0%となった。
【トップは石破氏】
まず、多く聞かれたのは2位以下を10ポイント以上引き離してトップとなった石破氏についてのコメント。
石破元幹事長
「それだけの数字をいただいたのは素直にありがたい。これを糧としてさらに努力をしたい」
野党幹部
「石破氏は自民党執行部に耳の痛いことを言ってきた。石破氏が首相になれば野党にとっても脅威だ」
自民党参院幹部
「石破氏に一度首相をやらせてみたいという党員が多いのではないか」
一方、石破氏の弱点を指摘する声も聞かれた。野党議員「石破氏は党員からの支持率が高いが、議員票が取れないので、決選投票になれば、勝つのは厳しいだろう」
【2位小泉氏、3位高市氏】
一方、印象的だったのは2位だった小泉氏と、3位だった高市氏についての声。
林陣営の議員
「小泉氏が断トツかと思っていたが少しイメージが違った」
岸田首相側近議員
「小泉氏が今後どうなっていくのかに注目している。出馬表明の会見で支持を取り戻すか、はたまた票が離れてしまうのか」
小林陣営議員
「石破氏と小泉氏の差は思ったより開いている。さらに高市氏は思った以上に高い」
6日に立候補記者会見を行う小泉氏だが、陣営の議員は「まだ会見を行っていないのに、これだけの数字が出ているということには、期待値を感じる」と胸を張った。
一方、高市氏の陣営からは「良い結果だが、本当の勝負は告示日を過ぎてからだ。他の候補者の戦略も気になる」との声があがった。
【河野氏は苦戦】
前回の総裁選で岸田首相に次ぐ2位だった河野氏は3%と、思わぬ苦戦。総裁選初挑戦に向け、立候補に必要な推薦人の確保を急ぐ上川外相は、4位となった。
河野陣営議員
「これから追い上げていくが、厳しい戦いになるだろう」
上川陣営議員
「良い結果だが、まだまだこれからだ」
【戦略の練り直しも】
結果もふまえ、各陣営は戦略の練り直しを迫られそうだ。
ある小泉陣営の幹部は「党員票で石破氏が断トツになると、決選投票でも石破氏に(投票する)という流れが強まる」と指摘。党員票をどう伸ばすか、戦略が問われることになる。
また、ある自民党幹部は「党員票の数字を見て、どこと組めば勝てるかを各陣営が考えるだろう」と話したほか、別の自民党幹部は「高市陣営の党員支持がこれだけ高いと、決選投票を見据えて高市陣営とどう組むかが大事になる」と指摘した。
【「裏金」議員への厳しい対応】
一方、今回の調査では、党員、党友が「裏金事件」に関与した議員への厳しい対応を望んでいることが明らかになった。自民党の派閥の裏金問題に関与した議員について「新しい総裁にどのような対応を望むか」をたずねたところ、「次の国政選挙で公認しない」が最も多く30%、「裏金を党などへ返納させる」が25%、「国政選挙で当選するまでは党や政府などの役職に起用しない」が19%となった一方、「対応は必要ない」は11%だった。
結果を受け、ある党幹部は「党員ですら、まだ裏金問題についてはかなり厳しい目で見えている。裏金の返納を含め、やらなければいけないことがある」と語った。またある自民党議員は「小泉氏は”裏金”議員への対応はもっと厳しくした方がいい。こういう数字も出ているなら遠慮している場合ではない」と指摘した。
各陣営は今後、「裏金事件」への対応についても、戦略の練り直しが求められそうだ。