大森山動物園 子どもの入園料有料化の条例案 秋田市議会委員会で否決
物価の高騰を受け、秋田市は多くの公共施設の利用料金の値上げを打ち出しています。大森山動物園の入園料も対象で、無料だった子どもも有料とする条例案を市議会に諮っています。しかし、議員からは「学びの場で徴収することに違和感がある」などの意見が挙がり、条例案は委員会で否決されています。
秋田市によりますと、大森山動物園は燃料費やエサの高騰によってかかる費用が、10年前に比べおよそ4300万円増えました。支出に対する収入が不足し、昨年度は一般財源からおよそ3億6000万円を補てんしています。
そのため、秋田市はこれまで無料だった高校生以下の入園料を有料とする方針を決め、小学生が200円、中学生が400円、高校生以上は800円とする条例案を、市議会に提出しています。年間パスポートも有料化して一般も値上げし、改定によって年間およそ4000万円の増収を見込んでいます。
秋田市議会の教育産業員会で13日、条例案が否決されましたが、市側に答弁漏れがあったとして、15日に異例の再審査が行われました。新たに説明があったのは秋田市の小中学生に限って、当面無料で利用できるクーポンを配布するというものです。詳細が決まっていない対策を持ち出し、値上げの必要性を訴えました。
「無料クーポンは委員会で否決されたからの後付けではないか」と指摘を受けましたが、市は「以前から検討していた」と否定し理解を求めました。
議員からは「学びの場で徴収することに違和感がある」などの意見が挙がり、条例案の委員会採決は賛成1、反対6で改めて否決されました。条例案は15日までの委員会での議論をもとに、21日、本会議で採決が行われます。