安倍元首相“国葬” 岸田首相が説明 「その都度、政府が総合的に判断」繰り返す
安倍元首相の国葬をめぐる国会の閉会中審査が8日、開かれました。岸田首相は在任期間や銃撃事件で死亡した経緯などの理由を挙げ、自ら説明しました。野党からの質問に対して、岸田首相は「その都度、政府が総合的に判断する」と繰り返し説明しました。
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8日午後1時すぎ、岸田首相が自ら説明するとして開催された閉会中審査で、岸田首相は安倍元首相の国葬について、「在任期間、功績、国際的な評価、そして亡くなられた経緯、こうしたものを総合的に勘案して判断した」と説明しました。
しかし、立憲民主党の泉代表は、国葬であるなら、立法・行政・司法の“三権の長”などに意見を聞くべきではとただしました。
立憲民主党 泉代表
「この国葬決定は、誤りです。閣議決定までに“三権の長”に諮りましたか。あるいは、各党に相談しましたか」
岸田首相
「こうした国葬儀は、立法権に属するのか、司法権に属するのか、行政権に属するのか判断した場合に、これは間違いなく『行政権』に属するものであると認識しています」
岸田首相は内閣府設置法に基づき、行政、つまり内閣で開催を決定したと説明しました。
これに対し、泉代表は「国葬の選考基準を示した法律がない」と指摘した上で、次のように述べました。
立憲民主党 泉代表
「例えば佐藤栄作元首相は、当時、戦後最長の在任期間だったんじゃないですか。でも、国葬ではなかったですよね。なぜですか。法律もない。選考基準もなく、三権の長の了承が必要な国葬ということは、やっぱり難しい。この数十年間、元首相にどんな業績があっても、自民党内閣は『内閣・自民党合同葬』を行ってきたんですよ。その知恵や深慮遠謀を壊して、今回、国葬を強行しようとしている。これが総理、あなたじゃないですか」
岸田首相
「『明確な基準がないのではないか』、このことについてご指摘がありましたが、そのときの国際情勢、あるいは国内の情勢、これによって評価は変わるわけであります。よってその時々、その都度、政府が総合的に判断し、どういった形式をとるのかを判断する」
岸田首相は、国葬については「その都度、政府が総合的に判断する」との考えを示しました。
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一方、共産党の塩川鉄也議員は、次のようにただしました。
共産党 塩川鉄也議員
「岸田首相は『“統一教会”との関係を断つ』と言っているのに、その“統一教会”と深い関わりを持ってきた安倍氏に対して、国全体として敬意と弔意を表す国葬を行うというのは矛盾しているのではありませんか」
岸田首相
「ご本人が亡くなられた今、十分に把握することは難しいと考えております。そして、葬儀・国葬儀について考える際には、総合的に勘案して政府として判断するというものであると思います」
岸田首相は「国葬の実施は、政府が総合的に判断した」と繰り返し説明しました。
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8日の閉会中審査では、国葬にはアメリカのハリス副大統領のほか、インドのモディ首相、カナダのトルドー首相などから参列の意向が示されていることが明かされました。