岸田首相演説 核軍縮に向けたロードマップ第一歩「ヒロシマ・アクション・プラン」発表
岸田首相はNPT(=核拡散防止条約)の再検討会議で演説し、核軍縮に向けたプランを示した上で、透明性の向上や核兵器の削減を訴えました。渡邊洋輔記者の報告です。
岸田首相「被爆地・広島選出の首相として、『核兵器のない世界』に向け、現実的な歩みを一歩ずつ進めていかなくてはならないと考えます」
日本の首相として初めて会議に出席した岸田首相は、核軍縮に向けたロードマップの第一歩として「ヒロシマ・アクション・プラン」を発表しました。
プランではロシアによる核の威嚇を非難し、「核兵器の不使用」を訴えたほか、核兵器国に対し、「核戦力の透明性の向上」を呼びかけました。
また、「核兵器の減少傾向を維持」することの重要性を強調し、核実験を全面的に禁止する条約(=CTBT)の早期発効を目指し、来月の国連総会に合わせて首脳級会合を主催すると表明しました。
さらに、若い世代の被爆地訪問を促進するため、日本が1000万ドルを拠出して国連に新たな基金をつくることや、各国の政治指導者を広島に招く「国際賢人会議」を11月23日に開催すると発表しました。
岸田首相は演説後、「来年のG7広島サミットにつなげるためにも、会議で具体的な成果を出すために努力をしていきたい」と強調しましたが、ロシアによる核の威嚇が強い逆風となる中、日本が橋渡し役を担い、最終文書を採択できるかどうかが焦点です。