“アベノマスク在庫処分”配送費に約10億円…試算 野党から厳しい声
いわゆる“アベノマスク”の在庫処分をめぐり、新たな負担が問題となっています。「国が負担するという配送費」が10億円にのぼるとの試算が分かり、野党からは「愚策」だと厳しい声が上がっています。
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37万件もの申し込みがあった、およそ8000万枚の“アベノマスク”。廃棄するための費用6000万円が不要になったと思いきや…。
立憲民主党 小川政調会長
「廃棄にも責任があると思いますが、配布にはさらなる責任がある」
野党はさらに、「国が負担するという配送費」を問題視。後藤厚生労働大臣は、配布枚数を今後1か月ほどで決定するため、現時点で配送費を示すのは困難だとしていますが、政府関係者によると、厚労省が配送費を約10億円と試算していたことがわかったのです。
小川政調会長
「一連の愚策と言わざるを得ないと思います」
3日の国会でも、野党は、このマスクについて…
日本維新の会 市村浩一郎議員
「これから配送にまた10億円ですか。そもそも税の使い方として、このいわゆる“アベノマスク”は適切だったのかどうか、財務大臣からの見解をいただきたい」
鈴木財務相
「様々なご意見が、国民の皆様からあったということは承知しておりますが、税金の使い方としては問題はなかったものと考えております」
また野党は、マスクの活用方法についても疑問視。これまで厚労省は、今回の配布について、あくまで「マスク」として使うことを前提としていましたが…市村議員が取り出したのは、赤ちゃん用の産着でした。
市村議員
「これ、産着なんです。産着」
よく見てみると、数か所のつなぎ目を発見。実はこの産着、アベノマスク5枚をつなぎあわせて作られたものでした。こうした活用は認められないのでしょうか。
市村議員
「ガーゼそのものとしても使える。こういう産着とかにも『使ってもいい』というようなこともですね、まず大臣の方からおっしゃっていただければありがたい」
後藤厚労相
「いま、先生から指摘いただいたようなことも含めて、ぜひ有効に使っていただきたいと思っております」
マスク以外での活用を認めました。
配送費に、再び税金がつぎ込まれるアベノマスク。岸田総理大臣の周辺からは…
総理周辺
「有効活用してもらいたいという思いだから、そんなに責めないでほしい」
「使わずに捨てるより、使っていただいた方が良いと思います」
アベノマスクの配送は、3月上旬に始まる見通しです。