NHK前会長、不適切調達問題を「えん罪でっち上げ」と主張 批判された現会長は?
NHKでBS放送の番組配信をめぐり、不適切な調達の手続きがあった問題について、去年1月に退任した前田晃伸前会長が「えん罪でっち上げ事件だ」との意見を寄せました。NHKの前会長が現体制を批判するのは異例のことです。
2024年度からのNHK中期経営計画案にかかる意見募集に対して、前田前会長が一般視聴者と同じように意見を送ったものです。9日、NHKが、その要約版を公表しました。
NHKでは去年、政府に認められていないBS放送のインターネット配信に関わる、およそ10億円の設備調達を進めていたことが発覚し、前田前会長の退職金が減額されたほか、役員6人が厳重注意を受け、報酬を一部返上しました。
これについて、前田前会長は「えん罪でっち上げ事件だと私は思う。改革派幹部を左遷するためで、許容範囲を逸脱している」との意見を寄せました。
また、自らが進めた人事制度改革について「極端な年功順列、密室評価による人事から、かなり透明性高い制度に変えた」と主張しました。
さらに、現在の稲葉延雄会長が「内部抗争の一方に手を貸すことは異常だ」「残念ながら新体制になり、改革派職員は次々と姿を消した」などと自らの意見を展開しています。
前任の会長から異例の批判を受けることになった稲葉会長は、9日の会見で「改革を否定するようなことは一切思ってもいないので、コメントは大変残念だ」と述べました。