「統一教会」富山の政界との関係を振り返る
安倍元首相の銃撃事件後、いわゆる統一教会と富山県内の政界の結びつきが明らかになりました。
これまでの動きを振り返ります。
新田知事 最初の知事選で関連団体から支援受ける
新田知事と教団との関係が明るみに出たのは3年前、KNBの質問がきっかけでした。
神林記者「いわゆる統一教会という団体と、政治家の結びつき、距離について、新田知事自身はどうお考えでしょうか」
新田知事「私自身もおととしの知事戦で応援を受けたことは事実です。やはりそういった場を作っていただけるということは、当時の私の立場にとっては、ありがたいことではありましたよね」
2020年の知事選の際、統一教会の関連団体は、新人候補だった新田知事に対し、有権者への電話かけや後援会の名簿集めなど組織的な選挙応援を行いました。
知事はその後、教団の当時の会長と面談していたことも明らかにしました。
次々と明らかになった県内の政界との結びつき。
富山市 藤井市長「世界平和統一家庭連合ですか、一度、その集会に、選挙期間中か後援会活動中かは忘れましたけど、いずれにしましても市長選挙に際してですね、集会に呼んでいただいて、そこでスピーチをさせていただいたというような記憶はあります」
高岡市 角田市長「旧統一教会をはじめ、宗教団体それぞれがどのような活動をしているかというところは、正直、分からない、分からなかったというのが正直なところで」
関係は国会議員にも
関係は国会議員にも。上田英俊衆議院議員が、支援を受けている議員からの紹介で、集会で所見を述べたと明らかにしたほか、堂故茂参議院議員は党の調査に対し、関連団体の会合などに祝電を出したとしました。
富山1区選出の田畑裕明衆議院議員は、2017年の衆院選で選挙期間中に、教団の施設で開かれた総決起大会に出席するなどしていました。
写真には田畑議員と、統一教会の元幹部の姿が。
田畑議員「結果的に社会的な疑念を抱かれている団体と接点をもっていたことについては、率直におわびを申し上げたいというふうに思います」
当時、KNBが実施した市町村長、議員ら96人へのアンケートには、22人が関わりがあると回答しました。
2022年8月9日会見での新田知事「コンプライアンス上問題のある団体とは、お付き合いしないということはお約束したい。その言葉どおり、私の不勉強をよく認識したところです」
新田知事は教団との今後の関係については、コンプライアンス上の問題がある団体とは関係を持たないとしました。
一方で関係を持った政治家が「今後教団との関係を持たない」と明言したのに対し、新田知事は、政教分離の原則などを理由に、関係断絶に関しては明言を避けてきました。
2024年6月17日 県議会での新田知事「宗教団体への圧迫にあたらないように、また一部の県民を切り捨てる言い方にならないよう、私としては言葉遣いは慎重にさせて頂いております」
おととし、国が解散命令を請求した際にも、裁判所の判断を見守ると述べるに留めていました。
質問:宗教法人でなくなるということは政教分離の原則に抵触しなくなると思いますが
新田知事「解散請求するということになれば、それをどう裁判所が判断するのかということを見守りたいと思います」
新田知事はきょうの会見で、自身の政策への教団の影響を否定しました。
一方で、教団をめぐっては政治家との密接な関わりが活動を助長させ被害を拡大させたとする指摘もあります。
これまでの説明で疑念を拭いきれたといえるのか、関係があった政治家には説明責任を果たすよう引き続き求めます。