あなたにとっての衆院選は?「地域で暮らす同じメンバーとして」障害者の男性の思い
衆院選の投票日まで5日。きょうから3回シリーズお伝えする「私」にとっての衆院選です。
愛媛で暮らす様々な当事者の視点から、政治や選挙について考えていきます。きょうは、障害がある1人の男性の思いです。
松山市の自立生活センター「CIL星空」の代表、井谷重人さん45歳。
井谷さん:
「当事者主体で障害者の支援をしている団体なんですけど、主にどんな重度な障害があっても地域で生活できることを伝えていて」
交通事故がきっかけで、22歳の時に「障害者」となった井谷さん。
29歳の時、障害がある当事者同士で「自立生活」を支援する団体「星空」を立ち上げました。
井谷さん:
「その人の体が動かない、目が見えない、耳が聞こえないから障害者なのではなくて、街の環境(障害)を変えていくことで障害がどんどんなくなっていくんだよという社会モデルを伝えるそんな活動を主にやっております」
「星空」が目指す「自立生活」とは、自らの意思で、自らの責任で、施設の中ではなく地域社会の中で暮らすことです。
代表の井谷さんが今、社会や政治に思うことは。
井谷さん:
「例えば映画が好きなんで映画館行くんですけど、ある程度法律が進んできて、障害者の席を設けなければいけないとか。でもみんな映画館行ってどこで見ますかって言ったら、真ん中だったり後ろの方が人気だと思うんですよ。でも車いすスペースがあるのは一番前だったり端っこだったりするんで、もうちょっと席選びたいなと思うこともあるんですね。建物を建てるとか法律を作るとか、そういう場所に色んな障害種別あるんですけど、障害者も中に入れて意見聞こうという姿勢がもっとほしい」
障害者への同情ではなく地域で暮らす同じメンバーとして尊重し、同じ目線で考えること。
そんな政治を井谷さんは求めていると言います。
井谷さん:
「昔何も考えず選挙に行っていた時と今と、思いがあるので、一票の気持ちがすごく変わってきた。『この一票が百票くらいにならんかな』って思いながら投票するんですけど。『おっしゃ!任せろ』というよりは『一緒にやっていこう』『ともに考えていこう』と思ってくれる方がすごく僕はうれしいというか好きです」