ベトナムと皇室の交流 約1300年前に“雅楽”の接点【皇室 a Moment】
■感想で示した「信頼と友好の歴史の絆を一層強固に」という願い
訪問を終えて天皇陛下は「ホイアンやフエにおいて,我が国江戸初期の朱印船貿易時代の旧日本人町を訪れたり、日本の雅楽と縁(ゆかり)の深いニャーニャックの演奏を聴くなど、両国の永い交流の歴史を改めて認識することができました。(中略)今回の私のベトナム国訪問が、これまで先人の方々が様々な交流により培われてきた日本とベトナム両国の信頼と友好の歴史の絆を一層強固なものにすることに少しでも貢献できたのであれば幸いに思います」と感想を発表されています。
――いま、日本にベトナムの方はたくさんいらっしゃいますね
留学生や技能実習生など日本に在留するベトナム人は、2020年6月の統計では42万人に上っています。これは中国、韓国に次ぐ数です。
天皇陛下も上皇ご夫妻も、ベトナムで、日本の文化を学ぶ人たちや元留学生らと会われました。過去に〝ベトナム・ブーム〟がありましたが、こうした歴史があって、今日の交流があることも押さえておきたいと思います。
【井上茂男(いのうえ・しげお)】
日本テレビ客員解説員。皇室ジャーナリスト。元読売新聞編集委員。1957年生まれ。読売新聞社で宮内庁担当として天皇皇后両陛下のご結婚を取材。警視庁キャップ、社会部デスクなどを経て、編集委員として雅子さまの病気や愛子さまの成長を取材した。著書に『皇室ダイアリー』(中央公論新社)、『番記者が見た新天皇の素顔』(中公新書ラクレ)。