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【皇室コラム】“愛ちゃん憲法”の結実を感じた愛子さまの記者会見

2022年4月2日 12:00
【皇室コラム】“愛ちゃん憲法”の結実を感じた愛子さまの記者会見
愛子さま 成年を迎えての記者会見 3月17日 皇居・御所

天皇皇后両陛下の長女、愛子さまの初めての記者会見は、自分の言葉で一生懸命に語られ、ユーモアもあって、うれしい会見でした。誰よりも目を細められたのはきっと天皇陛下だったでしょう。17年前に熱く語られたとおり、愛し、愛され、思いやりのある大人に成長し、“愛ちゃん憲法”とも受け止められた「養育方針」の結実を思うからです。(日本テレビ客員解説員 井上茂男)

【皇室コラム】「その時そこにエピソードが」第16回 <“愛ちゃん憲法”の結実を感じた愛子さまの記者会見>

■天皇陛下が17年前に語られた愛子さまの「養育方針」

2005(平成17)年2月。長野県のスキー場で愛子さまが初めてのスキーに挑戦し、雪のかまくらを体験されている映像と写真があります。当時3歳。猛吹雪で現地取材が中止となり、職員が撮影したプライベートショットが提供されました。雅子さまの「適応障害」が発表されて約半年。カメラを見つめる愛子さまの険しい視線に、幼心に病気のママを守ろうとされているのではないかと感じたことを思い出します。

映像と写真が提供されたのは、陛下の45歳の記者会見が行われた日でした。「雅子の人格を否定するような動きがあったことも事実です」。「人格否定発言」に驚きが走ったのは前年5月。現在のスペイン国王の結婚式などのために訪欧される前の記者会見です。今度は何を話されるか注目されていました。

「昨年の私の発言は、雅子の状況を国民の皆さんに知っていただきたいと思ってしたことです。しかしながら発言をめぐっては、天皇皇后両陛下にご迷惑をおかけしましたことを申し訳なく思っております」。陛下の語り口は前の会見の時とは違って穏やかでした。

当時、秋篠宮さまより若い男性皇族はなく、小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」で皇位継承議論が始まっていました。記者会見では、新たな動きを踏まえ、愛子さまの「養育方針」や「お世継ぎ問題」についての質問もありました。「有識者会議が設置されたことは承知しておりますが、私としては、お世継ぎ問題も含めて、コメントは控えさせていただきます」。一方で愛子さまの「養育方針」についてはたっぷりと語られました。