【GW目前】ビールとオムレツで「5000円」──“歴史的円安”も国際線予約は10%増 家計負担は11万円増…防衛策は?
歴史的な円安が続く中、目前に迫ったゴールデンウイーク(GW)。海外旅行は割高になりますが、国際線の予約は好調です。現状の円安水準などが続いた場合、家計の負担額は年間で約11万円増えるとの試算も。店や街の人に、GWの予定や防衛策を聞きました。
ワイン飲み放題が売りの、東京・渋谷区にあるバルを19日夜に訪ねました。
店長は、GWの予約について「2、3日前から予約は入りだして、もう満席になる(見込み)。去年よりは今年の方がいいペースで予約入っているかなと思ってます」と言います。
GWが目前に迫ります。19日、都内で予定を聞きました。
事務員(29)
「湘南にマグロ食べに行きます。“推し”が行ったお店に、同じものを食べに行く」
一大イベントを控えている夫婦もいました。「GWは結婚式を2人で挙げる予定です。とにかく雨にならないように祈りながら、毎日天気予報見てます」
建築業(27)
「友達に会いに、ベトナムに旅行に行きます。(現地の気温が)38度って言われたので、どうしようかなっていうことで…半袖ですね」
19日、GW期間の空の便の予約数も発表されました。国際線は、全日空が前年比113.4%の約19万3000人、日本航空は同109.4%の約17万7000人で、ともに10%ほど増加しています。中でもハワイ便が好調で、全日空によると過去最多の予約が入り、去年の1.5倍です。
一足早く海外から帰国した人に話を聞きました。韓国旅行をした人は「GWは仕事柄お休みではないので、オフシーズンの時とかに行ってます」と言いました。
困ったという声も聞かれました。出張でルーマニアに滞在した人は円安を「かなり感じました」。飛行機の乗り継ぎで訪れたドイツの空港でも実感したようです。
「ビールとオムレツ、合計で5000円近くしました。ビールが1500円でオムレツが3000円ちょっと、プラスチップなので」
──その値段で日本だったら何が食べられそうですか?
「焼肉は食べられる。余裕でしょ。2人前か3人前いけるっすよ」
このまま1ドル=154円台の水準が続き、原油価格が現状の横ばいだった場合、みずほリサーチ&テクノロジーズの試算によると、今年度の家計の負担額は前年度に比べて年間で約10万8849円増えます。
街の人からは「ランチって基本1000円以下みたいな、500円ランチが主流だったのが、1500円、2000円とかが普通のランチで当たり前なのかなっていう」「私結構きついかも。飲み代を節約したら…」という声が上がりました。
また、みずほリサーチ&テクノロジーズの試算によると負担増加額の10万8849円のうち、最も多くを占めているのが外食を含めた食料の費用で、4万3697円に上っています。
渋谷区のワインバルでも、海外から輸入しているワインの仕入れ値が上がっているといいます。「(仕入れ価格が)100円から200円ぐらい全体的に上がっているようなイメージですね」と店長。それでも何とか値上げせず営業するために、ある手段を取っていました。
店長
「プライベートブランドのワインをフランスやオーストラリアから仕入れていますので、できるだけ大きいロットで発注して…」
他社ブランドのワインの本数を減らし、自社ブランドを一度に多く仕入れることで価格を抑えているといいます。
一方、石川県では19日、5月7日から始まる能登半島地震の観光支援策「北陸応援割」の第2弾の予約受け付けが始まりました。1泊あたり2万円を上限に、旅行代金の最大半額が補助されます(同県のみ)。
石川・能登町にある旅館「百楽荘 能登 九十九湾」は19日、約3か月半ぶりに営業を再開しました。
支配人は、津波が押し寄せた高さを示してくれました。能登半島地震の影響で、宿泊客に人気だった釣りができる桟橋は流され、お食事処も浸水。今も使えない状態です。それでも再開初日のこの日は、応援割第1弾の利用を含めて10組24人が宿泊予定です。
7人の新入社員を加えて、久しぶりに集まった従業員とともに、復興に向けて新たな一歩を踏み出しました。ある新入社員は「一人ひとりのお客様に『百楽荘に来てよかった』と言っていただけるように、笑顔で頑張りたいと思います」と意気込みました。
(4月19日『news zero』より)