【カラダWEEK】社内サウナで業績「過去最高」、“早起き手当”で効率 UP……社員の健康改善で変わる職場
社員の健康を改善することで効率やモチベーションを上げ、会社の業績にも好影響をもたらしている取り組みがあります。オフィスサウナで社員の健康意識を高めて過去最高の業績を更新した会社や、「早起き手当」で勤務時間の減少につなげた会社を取材しました。
■サウナで…子どもの話題も仕事の話も
サウナで汗をかく男性2人。「子どもが今5歳になる年で、下が2歳」「うちも2歳の子が…」と、お互いの子どもが話題になっていました。
ただ別の2人が入ってくると、「端末がご機嫌悪いのか、システム的にそうなっているのか…」「あー、なるほど。止まっているのかもしれないですけど」と仕事の話になりました。加わったのは1人は仕事仲間、もう1人は取引先でした。
取引先の人は「今日はホームページ(作成)のお仕事で打ち合わせに来て、誘っていただいて打ち合わせ終わりに一緒に裸の付き合いを…」と笑います。
ここは、愛知・名古屋市にある自動車や航空機の部品などを扱う「タマディック」社内にある、オフィスサウナです。
■社員「健康に意識が向くように」
社員の健康促進やコミュニケーションを活発にする目的で2年前、社内の最上階にサウナを作りました。男女それぞれ曜日ごとに使い分け、社員誰でも原則退勤後に利用できます。
サウナを使う社員からは「寝付けない時もあるんですけど、ここに入ってどんな日でもぐっすり眠れていますね」「健康というところに意識が向くようになりました」と好評です。
サウナをきっかけに健康を意識する人が増え、会社全体で健康診断の数値が改善。再検査となる人数も年々減っているといいます。
社長は「サウナができて(設立64年で)過去最高業績を 2 期連続で更新しています。毎日健康に前向きになるのはとても大事なことで、気軽に始めるのがすごく大事なことだと思っています」と手応えを語ります。
社員の健康改善やモチベーションが上がったことが、会社の業績アップにつながっているとみています。
■8時より前の出社で「1日1000円」
社員の健康を考える取り組みは他の会社でもあります。
都内のITベンチャー企業「Diezon」では、人気(ひとけ)の少ないオフィスに、鶴来さん(26)が出社しました。規則では午前10時までに出社すればOKですが、時間は7時45分です。
2時間以上早く出社した理由について鶴来さんは「早朝に出勤したら、その分手当が出るという仕組みになっています」。この会社では8時より前に出社した人に1日1000円を支給する「早起き手当」を導入しています。
鶴来さんのある月の勤務表を見てみると、「早出」がずらりと並んでいました。「1年間で20数万円くらいもらいました。自動的に早寝早起きの習慣がつきます」
同社では午前中に働く時間が増え、効率が上がったことで勤務時間の減少に成功。コストはかかりながらも、業績は維持できているといいます。
■少しぜいたくなランチやジムに活用
鶴来さんは早起き手当の20万円ほどを、何に使っているのでしょうか。お昼休憩をのぞいてみると、注文したのは990円のギョーザ定食でした。
「(これまでは)なるべく500円くらいに抑えようって感じだったんで、お昼ご飯で1000円くらい毎日食べられるって、結構な幸せだと思います」と鶴来さん。早起き手当を活用した、少しぜいたくなお昼ご飯です。
数日後も早く出社し、早めに退社。向かったのはジムでした。
鶴来さん
「時間が早いのもあって、今が一番パワーみなぎる感じがします。(早い時間だから)全然人もいなくてすいてるので、快適にトレーニングできてるなと思います。目指すは『死ぬまで風邪ひかない』です」
(11月6日『news zero』より)