辞任は否定 日大・林理事長 就任から1年半「ムラ意識」の変革は…
日本大学の林真理子理事長が4日、約4か月ぶりの会見に臨みました。今回の問題の大きな原因として指摘されているのは、“ムラ社会”的な組織風土です。就任からおよそ1年半、しがらみのないことや実行力をかかげてきた林理事長は「改革の途中なので成し遂げないといけない」と、辞任について否定しました。
◇
4日、林真理子理事長は、日本大学理事長として4度目の会見に臨みました。
日本大学 林真理子理事長
「大学としての一連の対応の混乱によりまして、大変なご心配とご迷惑をおかけしたことを改めて深くおわび申し上げます」
違法薬物事件に揺れる日大アメフト部フェニックス。これまでに現役部員4人が、大麻を所持した疑いなどで逮捕・書類送検されています。
廃部か、存続か。林理事長の見解は――
――林理事長としては、現段階で廃部か存続か、どのような考えでしょうか?
日本大学 林真理子理事長
「申し訳ございませんが、まだ継続審議中ですので、ちょっと私の考えはご容赦いただきたい」
継続審議中。「理事会で話し合って結論を出したい」と話しました。
◇
日大の学生からは――
日大の学生
「廃部が決まってしまったら、それはそれでしょうがないかなと思うけど。日大の象徴としてあった部活だと思う。立て直せるならあってほしい」
日大の学生
「一生懸命、大会に向けて頑張っている人たちもいると思うので、その人たちが報われるような結果になればいいなと」
◇
アメフト部の問題をきっかけに大学側のずさんな体制が明るみになった日本大学。5年前、悪質タックル問題を巡る会見では――
記者(2018年)
「この会見はみんな見ていますよ!」
司会者(2018年)
「見ていても見ていなくてもいいんですけど」
「会見を見ていなくてもいい」と発言したのは、司会を務めていた日大広報部の職員です。
記者(2018年)
「すみません、司会者のあなたの発言で今、日大のブランドが落ちてしまうかもしれないので」
司会者(2018年)
「それは落ちません! 余計なこと言ってないで聞いてくださいよ」
その後、“日大のドン”と呼ばれた元理事長も脱税事件で有罪判決が確定するなど、日大ブランドに自ら泥を塗る形が続きました。
◇
日本大学 林真理子理事長(4日)
「学生の不利益になるようなことは、本当にできるだけ避けたいと思って一生懸命考えていますので、そういう意味では私たち日本大学を信頼していただきたいと思います」
――今までの対応を見ていると信頼するのは難しいと思いますが?
日本大学 林真理子理事長
「もちろんそうかもしれませんが、みなさんが日本大学を選んで入ってくれたという気持ちを尊重して、日本大学で楽しい充実した学生生活を送れるように考えていくということです」
今回の問題の大きな原因として指摘されたのは――
日本大学 林真理子理事長
「ご指摘ありましたとおり、『ムラ社会』の体質だったり、いくつかの組織風土の欠点もあげられるのではないかと」
「ウチのことはウチで収める」という組織風土です。「閉鎖的でよそものを受け付けない『ムラ社会』だ」と評された日本大学。その“よそもの”として約1年半前、トップに就任したのが林理事長でした。
日本大学 林真理子理事長(去年7月)
「私にはしがらみが全くない、怖いもの知らず、決定が早い、実行力がある、多少の知名度がある。それがあれば、この巨大な組織を変えていくことができるかもしれない」
就任時には、こうアピールしていましたが――
日本大学 林真理子理事長(4日)
「私としては、7月に就任して以来、改革してきたつもりだが、大きな事件が起きると体質・組織がぜい弱だったと痛感しております。(就任して)1年は着実に進んでいたと考えていますけど、この案件があってから、ちょっと滞っているのが事実」
――自身の中で辞任は考えなかった?
日本大学 林真理子理事長
「それについては何度か考えたこともあるけど、まだ改革が途中であるということ、いろんな要因もありますけど、それについては詳しく説明する気はございません」
「私、まだ改革の途中ですので、成し遂げなければいけないという気持ちがすごく強いので、ご理解いただけたらと思っています」
林理事長は、「辞任はせず、改革を成し遂げる」と強く語りました。
日本大学 林真理子理事長
「日大を変える大きな柱は競技スポーツ、学生スポーツと考えております。日大の学生スポーツを変えれば、日本の学生スポーツを変えることができると私は信じている。日本大学、この問題に本気で取り組んでいきたい」