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“統一教会”養子縁組 妊娠中に「誰々さんにあげる」 “組織的に行われている”指摘も

2022年11月17日 1:03
“統一教会”養子縁組 妊娠中に「誰々さんにあげる」 “組織的に行われている”指摘も

世界平和統一家庭連合、いわゆる“統一教会”の信者同士の養子縁組。元信者らへの支援活動をしている弁護士は、“養子縁組は組織的に行われている”と話します。日本テレビの取材に教団は…。

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16日午後、教団の元2世信者、小川さゆりさん(仮名)に、養子縁組について聞きました。

小川さゆりさん(仮名・20代)
「子どもたちが物のように扱われている。立派な人権侵害」

小川さん(仮名)は、現在も教団の信者である両親の元、6人きょうだいの3番目として生まれますが、下の妹2人は生後まもなく、別の信者の家庭に養子に出されました。

小川さゆりさん(仮名・20代)
「(母親が)妊娠している時点で、親から『この子は誰々さんにあげるんだよ』ってことは教えられていた。里親のお母さんは(母親が)産む前に泊まり込みにきまして、(出産後)ちょっとしたら実際に赤ちゃんを連れて帰ってもらう」

養子縁組は出産前から決まっていました。その背景には、教団の教えがあるといいます。

小川さゆりさん(仮名・20代)
「『子女繁殖』子どもを“産めよ、増やせよ”と“産みなさい”と教義の中に入っている。『避妊をしてはいけない』という教義もあるので、子どもに恵まれない夫婦というのは教会的にはよくない、その目標を達成できないので。なので、養子縁組の制度を『教祖さまが許可してくださいました』って」

実際、教団が養子縁組について説明した信者向けのYouTube動画では、“養子は天から授かるという意識が必要”と説き、さらに「天から子宝の恵みを受けた祝福家庭は、その恩恵を子女の授からない祝福家庭にも子女を分かち合う使命と責任があります。養子縁組という美しい伝統を、祝福家庭の中で受け継いでいきましょう」と説明し養子縁組を推奨しています。

教団が発行する信仰生活の指針を示した本にも「養子の約束を交わすのは、捧げる側の妊娠前が最も望ましく、遅くとも出産前には決定」と書かれています。

元信者らへの支援活動をしている阿部克臣弁護士は、“信仰に基づく養子縁組”の問題点を指摘します。

全国霊感商法対策弁護士連絡会 阿部克臣弁護士
「養子に出すという行為がありきなんですね。子どもを神にささげるという行為が最初にあって、その後に子どもを作りましょうと。子どもの福祉の観点というのが、全く欠落している。子どもの人権が無視されている」

また、阿部弁護士は、こうした養子縁組は“組織的に行われている”と話します。

厚生労働省によると、民間の養子縁組のあっせんを反復継続して行うには都道府県への届け出が必要とされていて、届け出なく行っていた場合、法律に違反する可能性もあります。

日本テレビの取材に対し教団側は、1981年から今までに745人の養子縁組が行われたと明らかにした上で、あくまで“信者同士の任意の取り組み”だと主張しました。

教団の回答
「当法人は、子どもに恵まれない信者の家庭が養子を迎えることを奨励していますが、養子縁組のあっせん等は一切行っていません。信者同士の個人的なつながりや、信者が居住する地域内での付き合いなどを通して、それぞれの養子縁組が決まっています。子宝に恵まれない家庭のために養子縁組を行い、両家が共に祈り合う中で2世の成長を見守るというのは、神様の愛を中心とした家庭理想を共に実現するという意味で、当法人の美しい伝統となっています」

こうした養子縁組の実態について、厚労省と東京都は今週中にも共同で教団に対して質問状を送り、調査を行う方向で調整しているということです。

“養子に出された妹のうち、1人とは今も会えていない”という小川さん(仮名)は「(国が)しっかりと取り締まってほしいし、異常さを調査して、養子縁組の方々の救済を早く進めてほしいなと思います」と訴えました。

(11月16日放送『news zero』より)

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