“統一教会”被害者救済法案 今国会に提出へ 法整備を求め続けた元2世信者
「世界平和統一家庭連合」いわゆる“統一教会”の問題をめぐり、岸田首相は8日、悪質な寄付行為などから被害者救済のための新たな法案を今国会に提出することを目指す考えを示しました。元2世信者の女性は、被害者救済に向けた法整備を求め続けていました。
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8日午後5時すぎ、岸田首相は「今国会を視野に、できる限り早く法案を国会に提出すべく、最大限の努力を行うこととします」と述べました。
いわゆる“統一教会”による被害者を救済するための法律は、教団の元2世信者である小川さゆりさん(仮名)らが求め続けてきたものです。
小川さんは今月2日、「家族の取消権だったりを強調したいなと思うのですが、やはり今国会内でしっかりと成立してほしい。未成年の子どもたちも巻き込まれている大きな問題なので、そういう意味でも早く対応していただきたい」と発言していて、先月27日にも会見で「一刻も早く今期の国会で、二度と同じ宗教被害者が生まれないような法整備をしていただきたいです」と訴えていました。
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岸田首相は8日午後、公明党の山口代表と会談し、被害者救済のための新しい法案を今の国会に提出できるよう最大限の努力を行うことで一致しました。そして岸田首相は、法案の成立も目指す考えも示しました。
新しい“統一教会”の被害者救済法案の内容として「悪質な勧誘行為に基づく寄付について取り消しや損害賠償を可能とすること」「子どもや配偶者に生じた被害の救済を可能にすること」などを検討していくということです。9日以降、与野党の調整が本格化する見通しです。
また、岸田首相は教団の被害者と面会したことを明らかにし、「凄惨(せいさん)な経験を直接うかがい、胸が引き裂かれる思いがした」と述べました。
(11月8日放送『news zero』より)