“統一教会”めぐり…“被害者救済”新法案の協議難航 元2世信者「早く対応してほしい」
世界平和統一家庭連合、いわゆる“統一教会”の信者を親に持つ小川さゆりさん(仮名)が2日、自民党の会合に出席しました。小川さんは、「子どもたちの人生に関わることなので、しっかり対応してほしい」と訴えました。
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2日、自民党の会合に参加したのは、いわゆる“統一教会”からの被害を訴え続ける元2世信者の小川さゆりさん(仮名)です。小川さんは、午後3時半ごろ会場を後にし、次のように述べました。
元2世信者 小川さゆりさん(仮名)
「子どもたちの人生に関わることなので、そこをしっかりと考えてほしい、対応していただきたいと話しました」
しかし今、与野党4党による、被害者救済のための新たな法案の制定についての協議は、難航しています。
野党側は、消費者契約法など現行法を改正するだけでなく、献金を取り戻せるよう、家族らによる取消権を認めることなどを盛り込んだ新しい法律を成立させるべきだと主張していますが、自民党と公明党は、新しい法律を今の国会で成立させるのは、スケジュール的に難しいとの認識を示しているというのです。
日本維新の会 藤田幹事長
「時間切れを狙ってるんじゃないかというようなね、論点まとまらずと言って先送りするということが、常とう手段なわけですよ」
立憲民主党の安住国対委員長は創価学会を支持母体とする公明党を念頭に、与党側の対応を批判しました。
立憲民主党 安住国対委員長
「後ろにいる支援団体を気にするんじゃなくて、国民や被害を受けてる人たちのために、政治が前に進んだってことを示さないといけない」
一方の与党側は次のような見解を示しています。
――意見の隔たりが出ているが
公明党 北側副代表
「取消権や損害賠償請求だとか認めていこうということですが、ここは要件をどうしていくかが非常に大事。そこは少し時間をかけて議論をすればいいという話」
自民党 被害救済小委員会 若宮健嗣委員長
「与党側の方が新法については、もう困難だからやらないという報道がありますが、全く違いますので、ここではっきり申し上げたい」
与野党は歩み寄れるのでしょうか。
元2世信者 小川さゆりさん(仮名)
「未成年の子どもたちが、まき込まれている大きな問題なので、そういう意味でも早く対応してほしい」
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また、国会でも2世信者の問題が焦点になっています。
立憲民主党 山井和則議員
「小川さゆりさんという方がおられます。5年間、アルバイトで200万円ためたけど(親に)没収された。児童虐待にあたるのではないか。いかが思われますでしょうか」
野党がただしたのは、いわゆる“宗教2世”らが訴えている問題です。信仰を理由とした親による行動制限などは児童虐待にあたるとして法整備を求めているのです。
加藤厚労相
「個々のもの1個1個ってことまでは難しいにしても、一定のこういったものには、こうって所をお示しできるようなものを作っていきたいと考えております」
加藤厚労相は、宗教に関わる児童相談所などへの相談や対応についての指針を、年内をメドに作成するとしています。