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教団被害者“救済法案” 「借金や土地・建物を売ってまでの寄付」禁止の方向 「未来の被害者も救われていく」

2022年11月18日 1:41
教団被害者“救済法案” 「借金や土地・建物を売ってまでの寄付」禁止の方向 「未来の被害者も救われていく」

世界平和統一家庭連合、いわゆる“統一教会”の被害者救済に向け、政府が成立をめざす新たな法案の内容が、取材で明らかになりました。信者に借金をさせてまで教団が寄付を求めることなどを禁止する方向で調整しているといいます。これついて、教団の被害を訴える人たちは…。

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安倍元首相が殺害された事件で送検された山上徹也容疑者(42)。刑事責任能力を調べる鑑定留置について、来年2月6日まで延長されました。その山上容疑者が事件の背景として供述したのが、“母親による教団への高額献金”です。

教団の元信者の鈴木さん(仮名・39)は、総額約500万円を教団に使ったといいます。今年7月に取材した際には、教団から購入したという物品を見せてくれました。

鈴木さん(仮名・39)
「こちらは“統一教会”で購入した着物になりますね」

――この着物は着ますか?

鈴木さん(仮名・39)
「着ないですね、はい」

17日、改めて“高額献金”について聞きました。

鈴木さん(仮名・39)
「当時は洗脳されてて、感覚がまひしてるんですよね。気づいたら、高額な献金を重ねてしまっていた」

一方で、教団の被害者救済に向け、政府が成立をめざす新たな法案 「寄付の不当な勧誘の防止に関する新法」(名称案)の内容が、取材で明らかになりました。政府は、寄付に事実上の「上限規制」を設ける方向で調整。宗教団体などが借金をさせたり、土地・建物を売ってまで寄付をするよう要求したりする行為を禁止できるようにします。

鈴木さん(仮名・39)
「(教団から)『借金してまでお金を作りなさい』と言われたことがありますし、『上限規制』を設けることによって、破産しないで済む人がたくさん出ると思いますので」

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“信者の元妻による高額献金で家庭が崩壊した”と訴える橋田達夫さん(64)。先月、会見で怒りをあらわにしていました。

橋田達夫さん(64)
「そこまでやりますか、本当に!」

橋田さんによると、元妻は両親から譲り受けた田んぼ800万円相当などの私財を次々と教団側に寄付したといいます。17日、話を聞きました。

橋田達夫さん(64)
「献金をするために、そういうことをするんじゃないですか? 警察にも相談したし、司法書士にも相談したし。まったく、ストップはかけられませんでした」
「結局、そのお金は家族のお金じゃないですか。家族の貯金まで引いて、献金で持って行くんですよね、(教団は)『幸せになる、幸せになる』って。それはもう僕は異常だと思うんですよ」

新たな法案では、悪質な勧誘行為を禁止し、違反した場合は寄付を取り消せるようにします。その際、多額の寄付で生活費などを受け取れなくなった家族らも、本人に代わって取り消せるようにします。

橋田さんは、家族らによる“寄付取り消し”について、「僕は大歓迎です。これが一番、必要な部分かなと。これから未来の被害者も救われていくと思います」と歓迎する一方、「被害者がもう出ないように、この法律でそこまで縛ってほしいというか、くくってほしいと思ったんです」とも訴えました。

(11月17日放送『news zero』より)

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