家族が感染したら…感染を広げない過ごし方
新型コロナウイルスの感染者の急増とともに、自宅療養者の数も爆発的に増えています。自分や自分の家族が感染した時どうするか、心の準備をするための情報をお伝えします。
■増える家庭内感染…都が新たな施設開設へ
感染状況からです。東京都内では22日に初めて1万人を超える感染者が確認されました。そして23日は9468人で、16日と比べて2倍あまりの増加となりました。
23日の感染者の感染経路です。3番目に多いのは、「職場内」で270人。2番目は「施設内」で618人。この施設というのは「医療機関や学校など」が含まれていますが、6割近くは「小学校・保育園・幼稚園」で、子供の感染が広がっていることが分かります。そして1番多かったのは「家庭内感染」で2074人でした。
家庭内感染が増えていることを受けて、東京都は新たな施設について発表しました。
東京都・小池知事
「無症状者で、家庭内感染の可能性がある方を受け入れる施設であります。家庭内で、ご自分が離れていた方がいいだろうという方にこちらにお入りいただく」
東京・有楽町に新たに作られた宿泊療養施設には、テレワークスペースやフィットネス施設などもあります。対象は「コロナに感染した無症状の人」で、「家庭内感染する可能性がある人」です。25日に開設する予定で、およそ350人の受け入れが可能だということです。
東京都は「感染して軽症・無症状の人は原則、宿泊療養」としていますが、入所をためらう人がいます。これが課題のひとつになっています。ためらった結果、他の家族にうつしてしまいます。これが家庭内感染増加の一因にもなっています。このため、無症状の人だけを対象として、「症状がないのに、ホテル療養だと普段通り過ごせない」という不安やストレスを解消したい狙いがあります。
さらに感染者の増加に伴って、単純に受け皿を増やす必要もあります。これが新たな施設を作った目的です。来月上旬には、立川市にも開設するということです。
こうした宿泊療養施設に入れるかは状況によるそうですが、都の窓口に自分で申し込むことができます。「自分と子供が感染したけど、夫にうつしたくない」といった場合など、窓口に相談して親子で入ることも可能です。
■家庭で感染を広げないためには
こうした施設ができた背景にあるのが、自宅療養者が爆発的に増えていることです。
都内の自宅療養者数は、今月1日時点では85人でしたが、23日は過去最多となる2万6556人で、およそ310倍にまで膨れあがっています。
施設に空きがなくて、まだ入れないという人もいますが、特に多いのは「ためらい」です。事情があって宿泊療養を望まない人が多いということです。いずれにせよ、いつ自分が自宅療養になるか分からない状況です。
家庭で感染を広げないためにどう過ごせばいいのか、先週、東京都が療養期間中のチェックリストを新たに公表しました。東京都の福祉保健局のホームページに載っていて、10日分、毎日チェックできるようになっています。
・コロナにかかった人と部屋(スペース)を分けていますか?(食事は別々に、時間差で。お風呂は感染した方が最後になるように)
・タオルや食器など身の回りのものを一緒に使っていませんか?
・看病する人は、感染を防ぐためできるだけ1人に決めましょう
・よごれたタオルや服は洗濯しましょう
・ゴミはよくしばって捨てましょう
・こまめに手を洗いましょう
・家族で正しくマスクをつけましょう(できるだけ不織布のマスクを顔にぴったりつけて)
・手でよくさわる場所は掃除、消毒しましょう(ドアノブ、照明のスイッチ、リモコン、洗面台、トイレのレバーなど)
・こまめに換気をしましょう。レンジフードも効果的。キッチンにある換気扇も効果的だということです。
・そして、最後は「家のマイルール」です。例えば、家の中だけど、電話でやりとりするなどです。
詳しくみてみると、例えば洗濯についてですが、衣類や布団などに下痢、嘔吐(おうと)などの体液がついている場合、80℃の熱湯で10分以上漬けてから洗濯機でまわすと、より安心だそうです。普通の汗がついたパジャマやタオルは、一緒に洗っても大丈夫ですが、気になるなら分けてください。
次に看病する人についてですが、「基礎疾患がある人は感染者の世話はなるべく避けてください」と書かれています。
続いて、最近新たに追加された文言で「ワクチン接種を2回完了した人が望ましい。3回目のワクチン接種を完了した方であれば、なお望ましい。ただし、接種された方でも感染対策は行ってください」ということです。
また、独居の方は、自宅でいる限りは人にうつさないので、ご自身の体調の変化にしっかり気を配ることが大切です。普段から具合が悪くなった時のために、食べ物や飲み物を常備しておくのもいいです。
(1月24日午後4時30分ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)