「大麻グミ」次々と“似た化合物” 包括的に規制をかけていく必要性も?
20日、厚生労働省の麻薬取締部が大阪市の会社に立ち入り検査を行いました。食べた人が相次いで体調不良を訴えているいわゆる大麻グミを製造している会社で、倉庫からグミが見つかり、麻薬取締部は成分の検査結果が出るまで販売を停止するよう命令を出しました。
都内の販売店で見つかったグミからは、大麻によく似た「HHCH」が検出されていて、政府は早ければ22日にも指定薬物に指定する見通しだと明らかにしています。
「食べると体にどんな影響が出るのでしょうか?」
小野高弘・日本テレビ解説委員
「たとえば都内で食べた人はおう吐、意識不明、手のしびれや動悸といったことで病院に運ばれました。薬物の危険性に詳しい湘南医療大学薬学部の舩田正彦教授に聞きましたら、『HHCHの人体への影響は分析中だが大麻の成分であるTHCと構造がとても似ているので、吐き気をもよおしたり幻覚症状が出たりする可能性がある』と話しています」
「さらに、これまでの危険ドラッグと違い、『お菓子の形になり、抵抗感が薄くなっている。子どもも食べる可能性がある。食べてから症状が出るまでにタイムラグがあるから大丈夫だと思って過剰に摂取してしまう恐れもある』と話しています」
有働キャスター
「そういったものが規制されず、普通に買えるというのは本当に怖いですよね」
小野委員
「そして問題なのは、構造を一部変えただけで大麻のような特性を持ちながら規制対象になっていない化合物を次から次へと作ることができることです。舩田先生は、『先手を打って規制していくことが必要ではないか』と話しています」
「つまり、大麻に含まれるTHCと似たような構造を持つものは包括的に規制をかけていくと。例えば、このような構造をもつものは、ほかの部分がちょっと違ったとしても規制するといった考え方です。実際に政府もそれを含めて検討しています」
有働キャスター
「このHHCHは早ければ来月2日には販売も所持も禁止となるということですが、過去には脱法ハーブとか合法アロマとか、いろんなケースが繰り返されているわけで、危険を未然に防ぐ攻めの対策が求められていると思います」
(11月20日『news zero』より)