「長い揺れ!恐怖を感じる…」 "長周期地震動"の横揺れを杉野アナが体験
大きな地震が起きた時に生じる「長周期地震動」。周期が長いゆったりとした揺れで、上層階では大きな横揺れが続きます。高層ビルが年々増えていることなどから、対策が求められています。
どんな揺れなのか、杉野真実アナウンサーがある"装置"で体験してみました。
■「長周期地震動」とは
東日本大震災直後の映像を見ると、新宿の高層ビルではゆっくりとした横揺れが続いています。日本テレビ30階では、オフィス器具などが大きく動きました。地上の揺れが収まった後でも、高層ビルの上部は揺れ続ける傾向があります。
大きな地震で生じる揺れが1往復するのにかかる時間を「周期」といい、その周期が長い、つまり長周期の大きな揺れを「長周期地震動」といいます。特に高層ビルは、長周期の揺れがあると、ビル自体の揺れと一緒になってしまう「共振」となり、大きく長く揺れてしまうことがあります。
■固定していなかった物などは倒れ…「恐怖を感じる」
長周期地震動は、一体どんな揺れなのでしょうか。
様々な地震を体験できる「地震座布団」という装置で、今回は、東日本大震災とほぼ同じ大きさの地震で生じる長周期地震動をマンション20階の一室で再現しました。
椅子に座ってVRヘッドセットをつけると、目の前に広がったのはマンションの一室の様子です。杉野アナウンサーが座ったソファの周りには、本棚や照明器具などがあります。
杉野アナウンサー
「揺れ始めました。もう、天井からぶら下がっている照明が揺れています」
揺れが大きくなり、照明スタンドが倒れました。
杉野アナウンサー
「前後左右でしょうか、自分の感覚でどの方向に動いているか、わかりません」「長い揺れ!恐怖を感じます」「もうつかまっていないと座っていても、ふらふらします」
揺れは3分以上続き、徐々に収まってきましたが、固定していなかった物などは倒れてしまいました。体験後、杉野アナウンサーは──
杉野アナウンサー
「怖いです。いざという時に何かしなければとは全く考えられませんでした。どの方向に揺れているのかわからなくなってきました」
■南海トラフ地震では深刻な被害の懸念…家の中でできる対策は?
長周期地震動の揺れは、発生が懸念される南海トラフ巨大地震でも深刻な被害を出してしまうおそれがあります。政府は、高さが200メートルを超える超高層ビルの場合、揺れ幅は最大で6メートル、6分以上揺れると想定しています。
去年10月7日、首都圏で最大震度5強を観測した地震。この時の長周期地震動は、1から4のうち下から2番目の「階級2」でした。
タワーマンションなどが増える中、長周期地震動に、どう備えればいいのでしょうか。地震の揺れと建物の被害について研究している工学院大学の久田嘉章教授は、「自助」と「共助」の両方が重要だと話します。
久田教授
「誰もこられないというのがスタートに。そのための準備と訓練しましょうというのは、すごく重要」
──部屋の中、家の中でできる対策は?
久田教授
「重いものが倒れない、落ちない対策。ベッド近くに頭のところに落ちるものがないかとか、お皿とかでけがしたりするので、家具の固定。転倒、移動、落下防止。まずは自分の頭の上を見回して、安全確認してほしい」
久田教授
「1週間分の備蓄、トイレが大きな問題ですが、水、食料だけでなく備蓄も1週間分、考えて やっていただきたい」