週刊地震ニュース 22日の「日向灘震源で震度5強」 巨大地震への影響は
■ここ最近の気になる地震活動について掘り下げる『週刊地震ニュース』
今月17日から23日まで先週1週間におきた震度1以上の地震は64回、前の週は26回ということで少し多くなっています。その要因となったのが22日の未明に九州の東側・日向灘で発生した最大震度5強の地震です。
16日の深夜に津波警報・注意報発表で津波観測。遅い時間の大きな地震ということで不安に。
今回の地震、午前1時8分頃に発生し、大分県大分市、佐伯市、竹田市、宮崎県の延岡市、高千穂町で震度5強の揺れを観測。石垣が崩れたり、住宅の屋根や窓ガラスの破損、水道管から水が噴き出すといった被害が出ました。
大分市では海岸にある駐車場で地面に大きな亀裂が発生するなど、かなり強い揺れだった。揺れに驚いたりして転倒するなどけが人も出ています。
この地震、地震の規模を示すマグニチュードは6.6、震源の深さは45キロと、やや深い地震でしたので広い範囲で揺れましたが津波はありませんでした。
■日向灘は地震が多い場所?気象庁地震津波監視課に長年勤務してきた専門家・草野富二雄さんに聞きました
「この地域ではマグニチュード7クラスの地震が十数年から数十年に一度の割合で発生しており、周辺の沿岸各地に地震の揺れによる被害のほか、津波による被害が生じることがあります」
日向灘では1968年4月にマグニチュード7.5の地震で津波の被害も。2019年5月には最大震度5弱を観測する地震などマグニチュード6から7クラスの地震が定期的に発生。
日向灘は、九州地方が乗っているユーラシアプレートの下にフィリピン海プレートが沈み込んでいる所にあたるため、地震活動が活発な地域です。
■気象庁の会見では、南海トラフ巨大地震の関連についても質疑が?
今回の地震の震源は、南海トラフ巨大地震の想定震源エリアの中に入ります。今後の南海トラフ巨大地震に関連があるかどうか検討する評価検討会は、マグニチュード6.8以上の地震がおきたときなどに開催されますが、今回はマグニチュード6.6で基準に達しなかったため検討会は行われませんでした。
マグニチュード0.2の差ですが地震のエネルギーは2倍違う。22日早朝の地震は、プレート境界ではなくフィリピン海プレートの内部で発生したタイプの地震でした。
気象庁は、「今回の地震があたえる影響については分からない」としていて、今後も注意深く監視を続けていきたいと答えています。
土曜日未明の地震以降も活発な地震活動が続いている。回数は減少しているが、今後1週間程度は、最大震度5強程度の地震には注意は必要です。改めて地震への備えについて点検してください。
以上、「週刊地震ニュース」でした。