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“断水”生活再建の壁に 熊本地震で「被災」ボランティアも 能登半島地震から1か月

2024年2月2日 0:39
“断水”生活再建の壁に 熊本地震で「被災」ボランティアも 能登半島地震から1か月
元日を襲った能登半島地震から2月1日で1か月となります。石川県によると、県内では1日午後2時時点で1万4431人が避難所に身を寄せています。1日、「news zero」は石川・七尾市を訪ねました。

避難してきた人
「ここに来たら寝られたね、うれしかった」

――床で寝るよりは?

避難してきた人
「そうですね。床には色々ビニールなど敷いて寝ていたけど、これ(ベッド)はいいわね。これは寝やすいわね」

ただ、生活再建の壁となっているのが断水です。

避難してきた人
「水あればね。なんでも作れるし、掃除もできるし」

市内の7割ほどで断水になっている七尾市。復旧は3月中になるとみられています。

1日、「news zero」が訪ねたのは、以前、避難所で出会った小学校5年生の桶川彰斗さん(11)。

桶川彰斗さん(11)
「お久しぶりです」

――元気にしていた?

桶川彰斗さん(11)
「はい」

学校は再開したといいますが…

桶川彰斗さん(11)
「水は出ていますけど、出ていないところもある。給食は今、出ていない」

やはり、断水の影響があるということです。給食が出ないため、授業も午前中しかできないといいます。

父・浩亨さん(53)
「今、自分も休職中なので、お昼は一緒に食べられる」

自宅で過ごすなか今、日課になっていることがありました。バケツを持ち向かったのは川です。

――バケツいっぱいにいつも入れる?

父・浩亨さん(53)
「そうですね。少ないと足りなかったりする」

朝晩2回、トイレ用に水をくんでいるといいます。

食事も、皿の上にラップを敷いて洗う数を減らすなど、断水対策を続ける日々。

――こうなったらいいなってことは?

桶川彰斗さん(11)
「水とか出て、給食が出たらいいな」

――給食は何、食べたい?

桶川彰斗さん(11)
「あげパン」

    ◇

同じ七尾市にある商業施設には、全国からたくさんの支援物資が集まっていました。

大塚亜由莉さん(23)
「調味料とか、断水してるので無洗米のお米とか集めている」

ここでボランティアをしている大塚亜由莉さん。実は…

大塚亜由莉さん(23)
「高校生の時に熊本地震で被災したんですけど、自衛隊やボランティアの支えがすごく大きくて、いつか恩返しがしたいなと。ニュースで見た瞬間に『行かなきゃ』という感情しかなくて、その日に行く方法調べて」

「熊本支援チーム」という団体がボランティアに入ることを知り、即行動。地震翌日には、およそ17時間かけ石川に入ったといいます。

大塚さんは“同じ境遇の人たちを助けたい”と話します。

――大塚さん自身も生活しないといけないが今、どうしている?

大塚亜由莉さん(23)
「ここの上で寝泊まりしている。こっちが女子部屋で…」

1か月、寝袋生活。さらに、仕事も正社員から契約社員に変え、リモートワーク。今後もボランティアを続けていくといいます。

大塚亜由莉さん(23)
「(七尾の人は)『自分たちは奥(能登)よりひどくないから』って言っているけど、被災しているのは変わらないから、声を出して『助けてほしい』と言ってほしい」

――そこまでここで1か月頑張る理由は?

大塚亜由莉さん(23)
「本当に(支援を)必要としていた人に届いた時の『ありがとう』という言葉だけが十分というか、そのために来たんだなって思う瞬間はあって…ここに来て『私のやるべきこと』がこれなんだなって」

(2月1日放送『news zero』より)

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