原発作業員被ばく線量、事故前の基準へ
福島第一原子力発電所の作業員の被ばく線量の上限について、厚労省は、冷温停止状態が続く「ステップ2」が年内にも完了した後には、事故前の基準に戻す方針を明らかにした。
従来、原発などで働く作業員の被ばく線量は、「年間50ミリシーベルト以下」「5年で100ミリシーベルト以下」と定められていたが、福島第一原発事故の対応では、特例として積算250ミリシーベルトとしていた。これについて、小宮山厚労相は、冷温停止状態が続く「ステップ2」の完了を政府が宣言した後に、この特例措置を廃止して、通常の上限の年間50ミリシーベルト、かつ5年間で100ミリシーベルトとする方針を発表した。
ただし、原子炉運転の高度な専門知識を持つ「東京電力」の社員約50人は、原発の安定に不可欠だとして、政府として「東京電力」に対し、来年4月末まで特例措置を続けるよう求める方針。