セシウム拡散 文科省「除染の必要なし」
福島第一原子力発電所の事故で放出された放射性のセシウムが、北海道や西日本にまで拡散し、土壌に沈着した可能性があることがわかった。文科省は、一般的には除染の必要はないとしている。
名古屋大学などの国際研究チームは、3月20日から1か月間に実際に全国で計測された「セシウム137」のデータを基に、天候や雨の状況を組み合わせて解析を行った。その結果、セシウム137が北海道や中国・四国地方など広い範囲に拡散し、土壌に沈着した可能性があることがわかった。
セシウム137の土壌濃度は、高いところでは北海道の東部で一キログラムあたり250ベクレル、中国・四国地方の山間部で一キロあたり25ベクレル程度とみられるという。
文科省によると、これらの土壌濃度を大気中の放射線量に換算すると、平常時と同じレベルで、一般的には除染の必要はないとしている。