東電 市町村の除染費用、支払いが遅れる
東京電力・福島第一原発事故に伴い、各市町村が行っている除染の費用について、東京電力は、これまでに請求された費用の2%しか支払っていないことが分かった。
福島第一原発の事故後に行われている除染は、国が直接行うものと、各市町村が行うものとがあり、いずれも費用については、東京電力が全額負担することが法律で定められている。除染の費用はいずれも国がいったん立て替え払いを行った後、東京電力に請求する仕組みで、環境省の試算では総額2兆5000億円に上る。
こうした中、市町村が行った除染について、国がこれまでに東京電力に請求した761億円のうち、今月末現在で、東京電力から約2%の17億円しか支払われていないことが分かった。国が行った除染については、請求した925億円のうち、すでに899億円が支払われているという。
東京電力は、市町村が行う除染については、費用の支払いに必要な調査などに時間がかかっていると説明している。これに対し、除染を担当する環境省は去年秋ごろ、市町村が行った除染については、支払いのための調査の数を減らすことで東京電力と合意していて、今後は費用の支払いが進む見通しで、これまでに請求した費用については、数か月以内に支払いを受ける見込みだという。
環境省は、支払いが遅れたことで生じた利息分についても、東京電力に請求するかどうか検討することにしている。