美しい日本のトイレ…迷惑な“こもりスマホ”も 医師が推奨「座るのは“3分以内”」
東京・千代田区の神田川にかかる橋のたもとで目にしたのは、一見、立派な「蔵」のような公衆トイレです。
東京・渋谷には、鮮やかな赤い壁の公衆トイレ。そして、ガラス張りで、人が入ると中が見えなくなる仕組みの公衆トイレなど、クリエーターが手がけた個性的なトイレも次々と登場しています。
日本のトイレについて、海外から来た人に話を聞いてみました。
カナダからの観光客
「先進的でモダンだよね」
香港からの観光客
「香港よりいい! きれい。どこにでも温水便座がある」
海外からも認められる日本の“おもてなし”とも言えるトイレですが、利用者からは、“あること”に困ったという体験談が聞かれました。
40代
「朝とか、仕事で急いでいて、あと3分で(電車)乗らなきゃいけないって時、もう(個室から)全然出てこなくて! 『もう、なんで出てこないの!』って思って。『あと3分なんだけど!』って思って」
20代
「待ち時間が長いと子どもがぐずるので、あきらめざるを得ない時はある」
トイレがなかなか空かず、入れないという声。家のトイレでも――
娘
「『きょうはこれを読もう』と思った本を入れて、ずっと読んでます。落ち着くんですよ、一人の時間って感じがして」
母親
「『汚いからやめてくれ』といってるんですけど、持って入ってしまうから」
長時間空かないトイレは、必ずしも本来の目的で使われているとは限りません。
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メーカーの調査では、約4割の人が自宅のトイレで考え事をしたり、スマートフォンなどを操作したりしているという結果が出ています(※株式会社LIXIL調べ:2020年 考え事40.0% スマホ・タブレット37.6%)。
別の調査によると、オフィスのトイレでも、約4割の人がいわゆる“こもりスマホ”をしているというのです(※TOTO調べ:2018 スマートフォンなどを使用する:39%)
こうした中、公共トイレの混雑をなくすための工夫が進んでいます。個室内にサイネージが設置され、その画面には、トイレ全体の個室の空き状況のほか、「今、自分が何分入っているか」をリアルタイムで映し出されるようになっているのです。
バカン 河野剛進代表取締役
「無理に追い出すんじゃなくて、自分が気づいて、『周りが混んでいる』、『自分が結構、長時間滞在している』っていうのがわかるようになれば、より回転率があがるんじゃないか」
サイネージを設置したトイレでは、30分以上個室にこもる人が64%減少。関東を中心に、オフィスや商業施設など、約6000か所に設置されているということです。
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実は、東京・麻布十番にあるクリニック「草間かほるクリニック」では、トイレの適切な時間は、「3分以内」を推奨しています。便座に座る時間が長いと、痔(じ)のリスクが高まるというのです。
草間かほるクリニック 草間香医師
「(トイレは)排尿・排便の場所なので、長居する場所ではないですので、痔主さんになりますよね。痔を持っている方。もう皆さん『立ってても座ってても痛い』って言いますね」
特に寒くなるこれからの時期、長時間おしりを出して座ると、冷えて血流が悪くなり、いぼ痔の原因になるといいます。
スマホや考え事は、トイレから出た後にするよう呼びかけています。