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「紅麹」サプリ 日本腎臓学会が独自調査の中間報告発表 47人の健康被害を分析

2024年4月2日 20:04
「紅麹」サプリ 日本腎臓学会が独自調査の中間報告発表 47人の健康被害を分析

小林製薬の「紅麹」サプリをめぐる一連の問題で、これまでに腎臓の疾患などで5人が亡くなり、入院者数はさらに増えて、157人に上っています。

被害の全容がいまだ見えない中、日本腎臓学会の独自調査の中間報告が発表されました。各地で確認された47の健康被害の分析結果です。現在、行政の回収命令が出ているのは、「紅麹コレステヘルプ」「ナイシヘルプ+コレステロール」「ナットウキナーゼさらさら粒GOLD」の3つの製品です。

■47人の健康被害を分析…摂取期間の短い人も発症

今回の調査で、47人のうち、46人が「紅麹コレステヘルプ」を摂取していました。残る1人は「ナイシヘルプ+コレステロール」を摂取されていた方だと分かりました。この製品での被害の確認は初めてとみられます。

そして長期間摂取していた方だけではなく、摂取期間が短い方も発症していることも分かりました。また医療機関の受診は、今年に入ってからが47人の約8割を占めています。

■患者の傾向は? 約9割が40歳から69歳 女性が全体の66%

今回の調査によると、患者は30代から70代まで幅広い世代で確認されているのですが、そのうち実に約9割が40歳から69歳の方でした。また男女別で見てみると、女性が全体の66%を占めていました。もともと摂取していた方に女性が多かったのかといった詳細なデータはないのですが、現時点のデータでは女性がやや多い傾向があります。

■症状は? 5割以上の患者が尿の異常や腎機能障害、倦怠感を訴え

最初の診断で患者が訴えた主な症状は、5割以上の患者が腎臓に関わる尿の異常や腎機能障害、さらに倦怠(けんたい)感や食欲の低下でした。また、2割近くは腹部の症状や体重の減少を訴えたといいます。

47人のうち、35人の患者が症状との関連が疑われる製品の摂取をやめることで症状が改善しました。また残りの12人はステロイド治療や人工透析を受けたということです。

日本腎臓学会の猪阪善隆副理事長は、摂取との因果関係は検証が必要とした上で「多くの人で摂取をやめると症状が改善したので、該当の製品を摂取している人はすぐに中止し、医師の診断を受けてほしい」と話しています。