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【解説】“都市型災害”宮城県沖地震から44年 この地震をきっかけに日本の「耐震基準」が変わる

2022年6月6日 21:25
【解説】“都市型災害”宮城県沖地震から44年 この地震をきっかけに日本の「耐震基準」が変わる
“都市型災害”といわれる「宮城県沖地震」の発生から今月12日で44年となります。日本の「耐震基準」を変えるきっかけになったこの地震はどんな被害の特徴があるのか?今後の地震活動は?社会部災害担当・内藤ミカ記者が解説します。【週刊地震ニュース

■先月30日からの週は震度3以上が3回発生

先月30日から今月5日まで国内では震度1以上の地震が33回発生しました。このうち震度3以上の地震は3回ありました。

▼先月31日午前4時32分、熊本地方を震源とする地震は、マグニチュードは3.8、震源の深さは9キロ。熊本県八代市で震度3の揺れを観測しました。この地震のメカニズムは、東西方向から圧力を受けたことでおきた横ずれ断層タイプの地震でした。

▼今月1日午前10時19分頃、北海道千歳市で震度3の揺れを観測。震源は日高地方西部、マグニチュードは4.3、震源の深さは102キロと深い地震となりました。

▼今月3日の午後1時29分頃、石川県珠洲市で震度3の揺れを観測。震源は石川県能登地方、マグニチュードは3.9、震源の深さは13キロ。このあたりで続く群発地震の1つとみられます。

■「宮城県沖地震」から44年 近代化した日本で初の“都市型災害”で何が

今月12日は1978年に発生した宮城県沖地震から44年です。宮城県沖を震源とした、この地震のマグニチュードは7.4。死者28人、ケガ人は1300人あまり。建物の全半壊は約7000棟にのぼりました。

特に大都市・仙台市で被害が大きく、その被害の特徴から「都市型の災害」と言われています。宮城県ではこの6月12日を「みやぎ県民防災の日」と定めていて、防災訓練など地震への備えを改めて考える日としています。

■宮城県沖地震の被害の特徴は

▼死者28人のうち18人がブロック塀や門柱の倒壊に巻きこまれて犠牲に。

▼電気・ガス・水道などライフラインが寸断され、復旧まで最大1か月の時間を要しました。

▼安否確認等の電話が殺到し、2日間にわたって通信機能障害が発生しました。

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■宮城県沖地震をきっかけに変わった日本の「耐震基準」