【解説】9日に与那国震度3 与那国・台湾周辺で相次ぐ大地震 将来M8の可能性も指摘
今月8日から14日まで、国内では震度1以上の地震が34回発生しました。このうち、震度3以上の地震は2回でした。
▼14日午前8時8分
石川県能登地方の深さ14キロを震源とするマグニチュード3.8の地震で最大震度3を観測しました。
▼9日午後3時23分
沖縄の与那国町で震度3を観測する地震がありました。マグニチュードは6.6、震源の深さは19キロでした。
▼9日午後5時33分
関東地方から東北地方の太平洋側の広い範囲で震度1から2を観測する地震がありました。
この地震の震源は東海地方の南側にある遠州灘。震源の深さは341キロ。一方、揺れが観測されたのは関東から東北地方の太平洋側でした。
このように震源が深い場所で地震が起きたとき、震源近くではなく、遠く離れた場所で大きく揺れる事があります。この現象を「異常震域」といいます。
今回の遠州灘の地震は、日本列島の下に沈み込む太平洋プレートの中で発生しました。揺れはプレートをつたわり、関東や東北地方の太平洋側で震度1から2の揺れになったと考えられます。
沖縄や台湾周辺は地震活動が活発なエリア。1919年以降、マグニチュード7クラスの地震が度々観測されています。
1919年12月にはマグニチュード7.5の地震、1922年にはマグニチュード7.4の大地震もありました。
1966年に与那国島の近海でおきた地震はマグニチュード7.3でした。この地震では津波も発生し、死者も出るなど被害もありました。
■過去には台湾周辺でも大地震
2002年3月の地震では、台湾・台北市内で建設中の高層ビル屋上から作業用のクレーンが落下しました。台湾や与那国島付近では、マグニチュード7クラスの地震が10年に1度程度の高い割合で発生しています。
地震の専門家、環境防災総合政策研究機構の草野富二雄さんは――
「この海域でマグニチュード7中盤以上の地震となれば津波発生の可能性も。強い揺れの際には津波にも警戒してほしい」
政府の地震調査委員会は、与那国島周辺で30年以内にマグニチュード7.0~7.5の地震が起きる確率は90%という数字を出しています。また、マグニチュード8クラスの地震の可能性も否定できないとしています。
地震と津波への備えを改めてお願いします。