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【解説】昼過ぎ注意!「水の事故」相次ぐゴールデンウイーク 防止対策とは?

2022年5月6日 20:05
【解説】昼過ぎ注意!「水の事故」相次ぐゴールデンウイーク 防止対策とは?

ゴールデンウイーク中の水の事故が相次いでいます。いつ、どんな場所で事故が起きやすいのでしょうか。特に昼すぎに注意が必要というデータもあります。「バーベキューや釣りで…」、「水難事故の5W」、「場所・配置・姿勢」の3つのポイントについて詳しく解説します。

■ゴールデンウイーク 各地で相次ぐ「水の事故」

5日午後、愛知・豊田市の矢作川で、19歳の男性が川に流され亡くなる事故がありました。男性は友人とバーベキューに訪れ、川遊びをしていたということです。

この他にも、水の事故が相次いでいます。静岡・島田市で3日、7歳の女の子が川で溺れ、亡くなりました。女の子は家族6人で川遊びに来ていて、姿が見えなくなったということです。

また、4日、新潟・村上市の海で釣りに訪れた男性2人が海岸で釣りをしていたところ、乗っていたボートが沖に流されました。2人のうち1人が亡くなったということです。

警察庁によると、2020年の1年間に発生した水の事故は1353件、死者・行方不明者は722人にのぼっています。

■原因は?時間帯別の「水の事故」発生件数

中でも今の時期、増えてくるのが川の事故です。水の事故を5つのWでひもといていきます。いつ、どこで、誰が、何を、なぜ事故は起きているのでしょうか。

まず、水の事故はいつ起きているのでしょうか。河川財団によると。時間帯別「水の事故」発生件数は、午後1時から午後4時の時間帯が多く、最も多いのが午後2時、次いで午後3時となっています。

考えられる原因の1つが、暑さです。気温が上昇し、水に入りたくなる時間帯であること。さらに、疲労、昼食後の眠気、飲酒などが原因ということです。疲労や眠気がある時、飲酒後は、川には入らないでください。

■「水の事故」発生リスクが高い場所は?

水の事故は、どこで起きやすいのでしょうか。特にリスクが高いのが、川の中に工作物がある場所です。水を引くための取水せきや、橋脚がある場所は水の流れが複雑で、急に深くなっている場所もあるため、近くで遊ぶのは危険です。川遊びをする場合、場所選びも重要となります。

次はWho。誰が水の事故に遭っているのでしょうか。河川財団が調査した「年代別の水難者数」によると、高齢者を含めない大人が4割、中学生以下の子どもが2割となっています。子供が遭いやすいということではなく、幅広い年代で注意しないといけないことがわかります。

次はWhat。何をして、水の事故が起きるのでしょうか。特に多いのは「川遊び」で、泳いでいて事故にあうケースです。続いて、「魚取り・釣り」、そして、「ボートなどの遊び」です。

そして、注意したいのは、泳いではいないが、川で遊び事故に遭うケースです。川岸で足を水につけて、遊んでいるだけでも、足場が悪く滑ってしまい、水に流されることがあります。

■「水の事故」大事なライフジャケット

では、なぜ事故は起きてしまうのでしょうか。備えることや水の特性を知っておくことで、その原因を少しでも取り除くことができます。

まずは、ライフジャケットが大事ということです。人は溺れかけた場合、本能的に手を挙げて、「助けて」と叫びます。大きな声を出すと、肺の中から空気が抜け浮力が減少して、より沈みやすくなります。また、手をあげることで、頭部が水面より下に沈んでしまいます。

このとき、ライフジャケットを正しく装着していれば、頭部は水面から上に出すことができるので、呼吸もでき、手を大きく振ることもできます。

そして、子供を川で遊ばせる時、親はなるべく下流側にいることが大事です。上流にいると、万が一、子どもが流されてしまった場合、追いかけても流れには追いつけません。下流にいれば、子どもが流されてきても受け止められるので、配置も大事です。

■川の流れを甘くみない 水は体温を奪う

そして、川の流れを甘くみないことが肝心です。水の流れによって、体にかかる水圧は想像以上に大きいです。

例えば、流速1メートル程度の穏やかな川の場合、大人のひざ程度の浅さでも、両足にかかる水圧は8キロほどです。大人が足を滑らせて、全身が水につかった場合、水圧は面積に比例して大きくなるので、全身にかかる水圧は40キロになります。

また、流速が2倍の場合、体が受ける水圧はその2乗に比例して大きくなりますので、このケースでは流速が1メートルから2メートルに速くなると、体が受ける水圧は40キロから、一気に4倍の160キロに跳ね上がります。

さらに、岩や石などの隙間に足が挟まってしまった場合、後ろから強い流れが来るので、なかなか足を抜くことが難しくなります。この状態の場合、たとえライフジャケットを着ていても、体を起こすことは難しくなります。

こうした状況を避けるためには、流れのある場所で体が流されそうになった場合、無理に立とうとはせず、足をなるべく上に向けて浮く姿勢を意識することが大事となります。

     ◇

これから暑くなると、ますます川や海で遊ぶ機会も増え、それだけ事故のリスクも高まります。そのような時、水の特性、万が一の際の対処法を知っているだけでも、リスクを減らすことにつながります。予定のある方は今一度、情報をおさらいしてみてはいかがでしょうか。

(2022年5月6日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)

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