ハワイ旅行“復活” 両替所に円がない? 「自然保護」と「観光」両立させる新ツアーも人気
ゴールデンウイークまっただ中、常夏の島・ハワイには日本人の観光客が戻り始めています。円安の影響が及び、土産店では戸惑う人の姿も…。また、ホノルルの現金両替所では円がないという事態に。一体、なぜでしょうか?
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ゴールデンウイーク初日の4月29日、まさにバカンス日和となったハワイには、多くの日本人観光客の姿がありました。
――久しぶりのハワイ?
観光客
「そうです!」
久しぶりの海外旅行で、男の子も大喜びでした。さらに――
観光客
「マスク外せるのいいよね」
「逆にマスクしないで歩いていいんだと、緩和しているのにびっくり」
ハワイ州によると、コロナ禍前にはまだまだ及ばないものの、4月28日から5月2日までに2924人が日本からハワイを訪れました。
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先月初めに結婚したばかりの川平さん夫妻に、ハワイ旅行を決めた理由を聞きました。
川平夏樹さん(35)
「新婚旅行という形で」
瑛里奈さん(30)
「海外で、できれば新婚旅行行きたいなと」
夫妻は「新婚旅行は海外で」と決めていたそうですが、ある変化に戸惑いも。それは、円安です。
川平さん夫妻が土産店で手にしたのは、4本セットの小瓶のお酒でした。
川平夏樹さん(35)
「昔ならひょいひょい買ってたけど 、最近の物価の違いと円安で…悩ましい」
コロナ前の2019年のゴールデンウイークより19円ほど円安が進み、3日現在は1ドル約130円。単純計算すると、手にした4本セットのお酒は、3年前より300円以上も高く支払わなければならないのです。
円安の影響は、現金両替所にも及んでいます。ホノルルの現金両替所には、円がないということです。近々、日本への旅行に行くというハワイ在住の男性は、円安の今のうちにとドルを両替しに来ました。
円を両替しに来た人
「『円が入ってくるのは6月だ』と言われました」
なぜ、円がないのでしょうか。
外貨両替所オーナー 眞栄城兼二さん
「コロナの関係で(観光客が)日本から来られないもんですから…」
コロナ禍で円をドルに両替する日本人観光客が激減し、円がなくなったというのです。今は、日本への旅行を考える人など450人が予約待ちの状態だということです。
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ハワイでのツアーにも変化がありました。人気の乗馬ツアーには、日本人観光客の姿も戻りました。ツアー担当者のブライアンさんは日本人観光客に流ちょうな日本語で「前の部分にかけて、荷物は全部この中に…」と説明していました。
ところが――
クアロアランチ企画営業部イベント担当 ブライアン・レイさん
「最近ずっと日本人見かけないし、日本語、使えなくなっちゃっているから」
ブライアンさんが日本語を話すのは、久しぶりだということです。
この日の行き先は、多くの映画のロケ地にもなったハワイ有数の観光地です。コロナ禍の前は、客の半分ほどが日本人で、日本語を話せる従業員が20人ほどいましたが、今は2人だけだということです。
ブライアンさん
「これからもっと(日本語を)練習しますね! 」
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ハワイで人気のスノーケリングスポットであるハナウマベイでも、コロナ禍で思わぬ変化がありました。コロナ禍で観光客の立ち入りが禁止されたことを受けて、水の透明度が約60%改善されたのです。
これをきっかけに、ハワイでは「自然保護」と「観光」を両立させようという動きが強まっています。その1つが、タロイモ畑での除草などを手伝うツアーです。
タロイモは、パンやマッシュポテトなどハワイアンの料理に欠かせません。今、タロイモ畑はかつての10分の1ほどに減少しました。そこで、現地の自然を学びながら、畑の再生を体験するという「自然保護」と「観光」をツアーにしたのです。
日本人にも人気のホテルでは、このツアーに参加すると1泊分を無料にする取り組みも始めていて、ハワイの新たな観光の形として広がりそうです。