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産業にも打撃 能登の食材提供する店に魚届かず 店や客「応援したい」

2024年1月8日 19:34
産業にも打撃 能登の食材提供する店に魚届かず 店や客「応援したい」
発生から1週間となる能登半島地震では漁港なども被災し、地元の産業が大きな打撃を受けています。そんな中、能登から直送の鮮魚を提供する神奈川県のお店には、被災地を応援したいと駆けつけたお客さんの姿もあったということです。

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神奈川県相模原市にある、能登から直送がウリの店「里山里海 奥能登や」。魚や米、酒など能登半島の食材を提供する店にも影響が出ていました。

「きょうは豊洲からとりました」

使用するのは豊洲から仕入れた魚。本来であれば、能登の冬の味覚である寒ブリなどが年明けにも届くはずだったといいますが、魚の仲買人である紙子大輔さんが最大震度6弱を観測した石川県能登町の宇出津地区で被災してしまったのです。

電気は通っているということで、店のオーナーである山内さんが、1日1回は健康状態など含め連絡しているといいます。

「里山里海 奥能登や」オーナー 山内香織さん
「もしもし、お疲れ様です」

能登町宇出津で被災した魚の仲買人 紙子大輔さん
「疲れてますわ」

「里山里海 奥能登や」オーナー 山内香織さん
「疲れていますね」

語られたのは、現地の深刻な被災状況でした。

能登町にある漁港は震災により段差や亀裂が生じていて、再開の見通しが立っていないといいます。また、紙子さんの自宅は漁港近くのエリアですが…

魚の仲買人 紙子大輔さん
「結局、こたつで寝ているんだわ、そのままの姿で海も近いし。寒くない格好でこたつで寝て、万が一逃げられるように。寝ていても寝ている感じもしないし」

最も深刻なのは水不足。6日は給水で約40分並んだといいます。

魚の仲買人 紙子大輔さん
「氷が残っていたんですよ、それを大きな鍋で煮沸して、それで俺さっき頭を洗ったんですよ」

魚に使う氷を水に戻して活用し、頭を洗うことができたと話していました。

「里山里海 奥能登や」オーナー 山内香織さん
「ほんとに今までね、どれだけ大輔さんがいいお魚を送ってくれていたか、すごく実感した」

魚の仲買人 紙子大輔さん
「今、泣けてきた。復興を信じて1日1日頑張ります」

   ◇

能登産の食材は魚だけではありません。

「里山里海 奥能登や」オーナー 山内香織さん
「お米の倉庫もどういう状況か、まだわからない状況」

能登町柳田地区などの農家から米を直接仕入れていますが、道路には亀裂が入っているため、今後の仕入れがどうなるかわからない状態です。

また、酒ぐらも被災し、日本酒も今は店内のケースに入っているものだけだといいます。

「里山里海 奥能登や」オーナー 山内香織さん
「うちはお酒を売って、復興したときにさらにもう一度売っていくのがうちの使命。在庫をすべて売り切るっていうことだと」

店には、能登半島を応援したいと、常連客の姿もありました。


「能登のお酒を中心に(飲んだ)」

「里山里海 奥能登や」 小川正義店長
「いつも飲んでくれますけどね」


「いつも飲んでいますけど、きょうは特に。こっちで消費することしかできないから」

同僚の家族が被災し、人ごとではないと話す夫婦もいました。


「(きのう)やっと2時くらいに(連絡)とれました。孤立集落から救出してもらったって連絡がきたので」
「どういう支援の仕方がいいのかわからなかった。けど、嫁さんがこういう形の支援もあるんじゃないか」

能登半島地震から8日で1週間。山内さんは、能登を応援したいという気持ちで店の営業を続けています。

「里山里海 奥能登や」オーナー 山内香織さん
「能登の皆さんの笑顔があってこその、こういったおいしい魚を提供したり、お酒を提供したり、お米を提供したりできるので、何年かかろうと変わらずに待ち続けていきたい」

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