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STAP論文問題 理研「再調査せず」

2014年5月9日 7:18
STAP論文問題 理研「再調査せず」

 理化学研究所は、STAP細胞論文をめぐる小保方晴子研究ユニットリーダーからの不服申し立てを退け、再調査は行わないことを決定した。

 調査委員会は、不服申し立て後に小保方氏側から提出された追加資料では、不正の認定を覆すには至らず、実験ノートそのものの提出もなかったとしている。小保方氏側は、データの改ざんに「悪意」はなかったと主張しているが、調査委員会は、理研の規定にある「悪意」とは「故意」と同じ意味だと説明した。また、小保方氏が2012年、科学雑誌「サイエンス」に提出した同じような内容の論文について、雑誌側から「画像の加工がある」と指摘されていたことを明らかにし、小保方氏は、ネイチャーに投稿する前に、データを正しく提示すべきだと認識していたはずと認定した。

 こうしたことなどから、調査委員会は、改ざん、ねつ造とされた2つの点とも、再調査は不要と判断した。これを受けて、理研は再調査をしないことを決め、小保方氏側にその旨を通告し、論文の取り下げを勧告した。

 今後、理研は懲戒委員会で、小保方氏や共同研究者らの処分を検討する。