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「加藤元教授らが論文不正に関与」東大発表

2014年8月1日 18:22

 東京大学の加藤元教授の研究室による論文不正問題で、大学側は、一部の論文で元教授ら4人がねつ造など不正行為に関与していたなどとする調査報告を発表した。

 この問題は、東京大学・分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授の研究室が発表した論文51本に画像データのねつ造など不正行為が確認されているもの。

 調査によると、加藤元教授は強圧的な指示や指導を日常的に行い、ねつ造や改ざんを容認もしくは教唆していると一部の学生らに認識させるなど、研究室における不正の発生に重大な影響を及ぼしたと認定した。また、ねつ造・改ざんの疑いのある論文などの隠蔽(いんぺい)をはかったとしている。

 さらに元教授の研究室の元教員2人は、2002年から07年に発表した5本の論文で改ざん・ねつ造を行ったほか、ほかの元教員1人も加藤元教授の指示でデータの改ざんなどに協力したなどと認定した。元教授ら4人は既に退職している。

 大学側は今後、研究費の返還についても関係機関と協議するとしている。

 一方、加藤元教授は、一連の騒動に謝罪した上で、「今回の裁定は名誉を毀損(きそん)したものとも評価しうるものであり、とうてい承服できない」として、今後、専門家と協議の上、対応するとコメントしている。