南海トラフ地震 政府の応急活動計画を公表
南海トラフ巨大地震が起きたときに、人命救助に派遣される応援部隊などの方針を定めた、政府の応急対策活動計画が公表された。甚大な被害が想定される静岡や和歌山など10県を重点対象県に指定して、全国から最大で14万人の自衛官らを派遣するとしている。
政府の想定では、南海トラフ巨大地震が発生した場合、関東から九州地方の太平洋側で最大震度7の猛烈な揺れと、最大30メートルを超える大津波で、最悪の場合、32万人の死者が出るとしている。このため政府は、応急対策にあたる自衛隊などの部隊規模などをあらかじめ定めて被害を減らすことを目的に、応急対策活動計画を公表した。
計画によると、県内にある警察や消防の部隊を大きく超える甚大な被害が想定される静岡、愛知、三重、和歌山、徳島、香川、愛媛、高知、大分、宮崎の10県を「重点受援県」に指定した上で、この地域に全国から、警察災害派遣隊約16000人、緊急消防援助隊約16600人、自衛隊の災害派遣部隊約11万人の、約14万人を直ちに派遣して救助などにあたるとしている。
さらに、和歌山や高知の一部では、津波などによって陸路からの救援が困難になることから、空や海からの救助を行うための拠点も指定された。
また、東日本大震災では当初、救援物資が届かなかった自治体があったことから、食料や毛布、簡易トイレ、おむつなどを発災4日目以降、被災地からの要請を待たずに被災地に緊急輸送するとしている。