名古屋・中川運河 約10万匹の魚が大量死
愛知県の名古屋市内を流れる中川運河で8キロにわたってコノシロなどの魚が大量に死んでいるのが見つかった。その数は、確認されただけでも約10万匹。その原因を取材した。
ビルなどが立ち並ぶ名古屋市中川区。市によると、今月3日、市内を流れる中川運河でコノシロなどが大量に死んでいるのが見つかったという。市が調査をした結果、6日までに確認された数は約10万匹。8キロある中川運河全域で発見されたという。水中で、いったいなにが起きているのだろうか。
中川運河は、かつて石炭や木材の運搬などに使用されていた。名古屋市によると、中川運河では2012年11月に約6000匹、2013年5月にも約23万匹の魚が死ぬ同じような事例が起きている。
運河の中にカメラを入れてみると、水は茶色く透明度はほとんどない。いったいなぜ魚は大量死してしまったのでしょうか。
名古屋市環境局地域環境対策課・堀田裕之さん「川の中の酸素が減少したものによると考えられます」
川の中の酸素が減少してしまった理由には、どんなことが考えられるのか。北里大学海洋生命科学部・朝日田卓教授は、酸素不足になった理由に、ここ最近の天気が影響した可能性を指摘する。暖かさなどによってヘドロを分解するバクテリアなどの微生物の活動が活発になり、微生物が酸素を取り込むため底の方が酸素不足に陥った可能性があるという。流れがほとんどない場合、水が混ざりづらく空気中から酸素が入りにくくなるため、運河全体が酸素不足に陥った可能性があるという。
酸素不足が原因とみられる魚の大量死は2013年8月、千葉県匝瑳市を流れる新川で、ボラなど約1000匹の死骸が見つかった。市では、大量の雨が降り、濁った水が川にたまったことなどが原因で水中の酸素が欠乏した可能性があるとみている。また、鳥取県鳥取市の湖山川でも2013年、フナなどの死骸が大量に見つかっている。川が酸欠状態だったことが原因とみられ、水門を開放し、川に酸素を行き渡らせるなどの対策をとって以降は魚の大量死はなくなったという。
名古屋市は海から取り込む水の量を増やし、水質改善することなどを検討している。