イノシシ親子の群れ30匹、注意を 三次市
広島県三次市で22日、イノシシ親子の群れ約30匹が目撃された。市では注意を呼びかけている。
今月22日午後9時頃、三次市海渡町の路上で5頭の親と少なくとも24頭のうり坊が確認された。イノシシが現れたのは国道の脇道で、すぐ近くには川が流れていて、地元の人によると、川の中州にイノシシのすみかがあるという。
この地域では、コメやサツマイモなど農作物が荒らされる被害が深刻になり、8年前、約10キロもの防護柵を設けた。ところが、イノシシはいつの間にか柵の中に入り込み、住みついてしまった。
専門家によると、今回目撃された大人のイノシシは雄が1頭で、残りの4頭は雌だという。
広島市安佐動物公園・畑瀬淳さん「春に生まれたことに間違いない。(1頭が産む数は)多くても6頭くらいが多いが、可能性としては、10頭くらいは産み育てることができるといわれている。広島県では、まだここまでの集団はなかったと思う」
イノシシは臆病で人間を怖がるというが、子育て中のイノシシには注意が必要だ。
畑瀬さん「姿を見た時は見ていたいかもしれないが、人間が去る方が賢い。キバがかなり鋭いので、かまれるとざっくり裂けてしまう」
薄れる一方の人と野生の境目。三次市では「草が茂って人通りの少ない場所はイノシシが出やすい」と注意を呼びかけている。