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“ペヤンガー”歓喜、半年ぶりの販売再開に

2015年6月8日 20:43
“ペヤンガー”歓喜、半年ぶりの販売再開に

 約半年ぶりに「ペヤング ソースやきそば」が関東地区の店頭に戻ってきた。新たな「ペヤング」では、異物が入るのを防ぐシールも付けられている。待ちに待った販売再開-熱烈なファンたちからは歓喜の声があがった。

 8日朝、都内のスーパーに「ペヤング」が帰ってきた。「久々の久々で、皆さん待ってる感じですかね」と話すのは店長。一度にまとめ買いする客もいそうなことから、この店では、ペヤングの購入は当面1人2点までに限るという。

 一方、都内にあるビストロ。この店は「煮込みと柚子こしょうのトースト」など、ワインに合う家庭的な創作料理がウリだという。マスターのイチオシ料理をオーダーすると、出てきたのはなんと「ペヤング」。いためたキャベツやソーセージをトッピングして提供する、その名も「野菜たっぷりペヤング」だ。

 店長「もともと僕がペヤング好きで、半分冗談だったんですけど、けっこう食べてくれるお客さんがいて、隠れた人気メニューに」

 8日からメニューを復活させるという。

 ロングセラー商品「ペヤング ソースやきそば」。1975年の発売開始以来、味も価格もそのままだ。このペヤングに去年、最大のピンチが訪れた。商品に虫が混入していたことが発覚。「ペヤング」ブランドの商品を製造・販売する「まるか食品」は当初、“通常の製造工程上、このような混入は考えられない”としていた。しかし、その後工場内で混入した可能性を排除できないとして、製造と販売をすべて停止した。

 去年から今年のはじめにかけて、相次いで発覚した、食品への異物混入。各社が対応を迫られる中、まるか食品は全商品の返品・返金に応じ、製造をストップし、工場設備の改善などに踏み切った。

 そして先月、稼働を再開した工場では、新たにラインを流れる麺(めん)の下側もカメラで撮影し、異物が混入していないかをチェック。容器はシールでフタをして、出荷後の混入を防ぐようリニューアルした。

 販売再開となった8日、この日を心待ちにしていた“ある人たち”がいた。その名も「全日本ペヤング愛好会」。熱烈なペヤングファンの人々だ。ほぼ半年ぶりとなる“ペヤングとの再会”に同行した。

 「ゲットしました!楽しみです!」と、購入を終えたペヤンガーたちは、さっそく食べる準備にとりかかる。お湯を入れて待つ男性からは「待ち遠しくてできれば一緒に入りたい、この容器の中に」との過度な愛情表現も。湯切りをし、ソースを入れ、思い思いの表情でペヤングを味わう。

 「味はもう前と変わらず(男性)」「のどごしが幸せを感じるんですね(女性)」

 さらに、ペヤング談義は尽きることがない。「ペヤングは食事の中でも、ごはん、デザート、ペヤングって感じ(女性)」「カレーライス、ハンバーグ、おすし、ペヤングですね(男性)」などの声が。

 販売再開を喜ぶファンたち。専門家は、まるか食品の対応について、以下のように話す。

 垣田達哉さん「万全の態勢をとって製造を開始するんだというところは良いことだと思いますね。企業は発見システムに対して、少し投資をする必要があるのでは、ということを考えさせられるという意味では良い教訓になった」

 まるか食品は7月にかけて順次、全国的に販売を再開する(北海道、沖縄は除く)。