経営悪化で突然“閉鎖”の納骨堂 利用者「詐欺にあったみたいな感じ」 寺の借金は約3億円
北海道札幌市の納骨堂が経営悪化により、突然、閉鎖に追い込まれることになった問題で、この寺が約3億円もの借金を抱えていたことがわかりました。利用者の中には、建物と土地が差し押さえられた後にもかからず、何の説明もないまま納骨壇を70万円で購入した人もいました。
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札幌市の宗教法人・白鳳寺が運営する納骨堂「御霊堂元町」が、経営悪化により閉鎖に追い込まれている問題。21日、利用者が寺の代表に詰め寄っていました。
利用者
「経営不振だったら、改善するために社員と一緒に違うことしようかとか、そうするのが経営者でしょう。永代供養なのに(この状況は)普通じゃないですよ、これ。バカにしてますよね?」
代表
「いえ、バカにするつもりはありません」
利用者
「バカにしてるんです!」
寺の代表は建物と土地の引き渡しを迫られ、利用者に23日までにお骨を引き取るよう求めていましたが、引き渡しの強制執行日が11月21日まで延期されました。
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利用者は21日、寺に説明を求めて押しかける事態に。
利用者
「お金は結局、どこに消えたのでしょうか? お金はどこに消えたのって言ってるの」
代表
「ですから、お寺の継続と社員の給料だとか…」
宗教法人・白鳳寺の財務諸表を見ると、開業当初から毎年の赤字が続き、膨れあがった借金はなんと3億円近くにまで…。返済が困難となり、去年11月に納骨堂の建物と土地が差し押さえられたのです。
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今年2月に亡くなった弟の遺骨を納めている男性に話を聞きました。
2月に契約した男性
「全く知らないで、何も説明されずに購入したので、何がなんだかわからない状態でしたね」
男性は納骨壇を70万円で購入し、3月に納骨しました。しかし、差し押さえについては聞かされていませんでした。
2月に契約した男性
「詐欺にあったみたいな感じだったりとかはしますよね」
不動産問題に詳しい専門家は、契約の時期によっては詐欺に当たる可能性があると指摘します。
札幌ポラリス法律事務所 瀧澤啓良弁護士
「所有権がなくなった時点で、この納骨堂の運営は極めてできない状況になるのは、かなり高い可能性があった。それを知りながら募集した宗教法人側に故意があれば、詐欺罪の成立も考えられるかなと思います」
寺の代表は取材に対し、「私は、だます意識はありませんでした」「きちっと説明が、私自身がうまくなされていないということは反省しております」と話しました。
建物と土地の強制引き渡しまで、あと4週間です。