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【業者直撃】修理代90万円…“トイレ修理詐欺”か ネット検索に「落とし穴」【#みんなのギモン】

2024年2月13日 22:01
【業者直撃】修理代90万円…“トイレ修理詐欺”か ネット検索に「落とし穴」【#みんなのギモン】

日本テレビの情報提供サイトに50代の女性からこんなSOSが寄せられました。「トイレが壊れたのでネットで調べた修理業者に依頼したら90万円を支払うことに…何とかお金を取り戻したい」。

女性が業者を探すのに利用したのは、いわゆる“暮らしのレスキューサービス”を紹介するウェブサイトです。見積もりや相談は無料で、トイレやキッチンの修理など水回りのトラブルにすぐ駆けつけるなどとうたっています。

実は今、こうした暮らしのレスキューサービスに関するトラブルの相談件数が急増しています。2020年度以降、急激に件数が増えていますが、背景には、ネット広告で業者を選ぶ人が増えたことがあるといいます。高額請求をする業者の実態。私たちは、情報提供者の女性に90万円を支払わせた業者を徹底的に追及しました。

   ◇

情報を寄せてくれたのは、埼玉県内のマンションでひとり暮らしをする女性です。

トイレの修理を依頼した鈴木さん(仮名・50代)
「金額聞いてぶっ飛びました。『えっ!?』て。でも、相場も分からない。漠然と水回りが高い印象があった」

10万円程度が相場だといわれるトイレの配管修理ですが、前払い(4万円)と工事代(86万円)、合わせて90万円も請求されたといいます。一体、何があったのでしょうか。

修理の依頼を受けて下見にきたのは、若い印象の男性作業員だといいます。

男性作業員
「温水洗浄便座はもう直せないので、交換になりますね」
「トイレの型が古すぎて合うものがないので、トイレ一式の交換になります」

男性作業員はそう言うと、費用は10万円だと説明しました。

しかし、工事当日、トイレを外し終えた作業員は、小型カメラで撮影した床下の様子を見せながら…

男性作業員
「床下の配管が壊れています。このままでは下の階に汚水が漏れて賠償問題になりますよ。すぐに工事しないといけませんね」

床下の配管の不具合で大変なことになると言い、配管の取り換えなど、総額で90万円かかると言ってきたのです。

トイレの修理を依頼した鈴木さん(仮名・50代)
「トイレがない状態でこのままにしておけないし、わたしもあと数時間で仕事で出ないといけないから、とにかくこの時間でやってもらわないと困るってのがあった」

下の階の住人に迷惑はかけられないとその場で工事をお願いし、代金を支払いました。

翌日、友人からだまされた可能性を指摘された鈴木さん。慌てて業者が置いていった名刺の電話番号にかけましたが、業者が電話に出ることはありませんでした。

「配管を交換する」と鈴木さんに説明していた業者。本当に工事は行われていたのでしょうか。私たちは、市の水道局が指定する業者に床下の検証を依頼しました。

トイレを床から取り外し床下を確認してみると…

指定業者
「(スマホで床下の様子を見せながら)これが下の管です。全く触っている跡がないです」

新しい配管に換える場合、古い配管を切断する必要がありますが、そのあとは見当たらず。

指定業者
「床下の管は、100パーセント自信をもって交換していないと言い切れます」

床下の工事は、ウソだったことが判明。この穴の大きさでは手が入らず、配管の交換は不可能だといいます。

さらに、工事前のトイレの型式を確認したところ、温水洗浄便座の交換だけで済む簡単な修理だったことも明らかになりました。

トイレの修理を依頼した鈴木さん(仮名・50代)
「本当に困った状態できてもらってお願いしたのに、結果これ? っていう後悔、残念」

相手の焦りにつけ込むこのような手口は少なくないといい、相談相手がそばにいないひとり暮らしの人が、被害に遭いやすい傾向にあります。

私たちは、業者を追及するため事務所を直撃することにしました。

事務所とされる部屋を訪ねると、そこにいたのは住人だというひとりの男性。取材班の車へと移動し業者との関係を確認すると、自宅の住所を業者に貸していただけだといいます。

住人と名乗る男性
「レンタルオフィスという形で住所を貸し出していた」
「正直、小遣い稼ぎになればいいかなと。正直、何も考えていなかったので、悪徳なことをしている業者とも分かってなかった。普通に(自宅住所を)貸しちゃっていたので」

私たちは、男性を通して業者に取材を求めました。するとその数日後、思わぬ展開になりました。連絡がつかなかった業者が突然、鈴木さんの口座に90万円全額を返金。さらにその数日後、業者の社員を名乗る人物が私たちに電話をかけてきました。

業者社員を名乗る人物
「(弊社は)地域で困っている人から問い合わせがきたら、近場の職人を紹介する業務だけなので、職人の無責任な施工でトラブルになる前提では紹介してなかった」

鈴木さんの自宅トイレでの偽装工事は、業務を委託している職人が勝手にやったことだと釈明。業者自身、委託をした職人と連絡が取れず困っているといいます。

――いつごろ(職人に)連絡が取れますか?

業者社員を名乗る人物
「連絡先が変わっちゃってる。知っている人間がいないか確認しているんですけど…」

私たちは職人への取材を繰り返し業者に依頼しましたが、その後、業者との連絡も途絶えました。

鈴木さんは今回、ネット広告のいわゆる「暮らしのレスキューサービス」を利用していました。

トイレの修理を依頼した鈴木さん(仮名・50代)
「簡単に(ネット)検索して調べたりできるけど、落とし穴というか…」

都内に住む別の男性も鈴木さんと同じサイトを利用してトイレ修理を依頼したところ、業者から26万円の修理代を請求されたといいます。

修理代26万円を支払いした男性
「スマホでググって業者を探しました。一番上の(検索結果)何も考えずタップした」

男性は業者に返金を依頼しましたが、連絡はつかなかったということです。

国民生活センターは、こうした「暮らしのレスキューサービス」を利用した人の相談件数が急増していると指摘しています。

こうしたサービスを利用する時には、自治体のホームページなどで水道局の指定業者を確認することや、複数の業者から見積もりを取ること、その場ですぐに支払わず、家族や友人に相談することが大事だといいます。

また、業者とトラブルになった場合には、消費生活センターなどに相談するよう呼びかけています。

消費者ホットライン:188(いやや!)番

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お寄せいただいた情報をもとに日本テレビ報道局が調査・取材します。

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https://www.ntv.co.jp/provideinformation/houdou.html

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