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千人避難 孤立状態の市役所内から記者中継

2015年9月11日 17:42
千人避難 孤立状態の市役所内から記者中継

 鬼怒川の堤防が決壊し大きな被害が出ている茨城県常総市では、11日現在も22人の住民の行方が分からなくなっている。決壊現場の南、常総市の中心部では、住民の避難所になっている市役所が孤立状態になっている。この市役所にいる越部憲洋記者が中の様子を伝える。

 この市役所に到着した10日午後9時前頃は、市役所の前の道路が一部冠水していたが、市役所の敷地にまでは水はきておらず、歩いて入ることができた。しかし、それから数時間のうちに水かさがどんどん増してきて、市役所のある場所から半径数百メートルにわたる広い範囲で道路が完全に水につかり、市役所の駐車場に止めてあった車は自衛隊や消防の車両もあったが、全て水没してしまった。

 また、水は市役所の中にまで流れ込んできて、出入りするためにはボートなどを使わないと難しい状態だ。市役所には11日午前、避難しにきて出られなくなっていた知人を助けるためにボートで市役所までやってくる人もいた。

 常総市によると、市役所には避難してきた市民や市の職員、そして救助のためにきている自衛隊や警察、消防の職員など約1000人がいるということだが、建物に閉じ込められてしまっているような状態だ。

 避難している人たちは、はじめは1階にいたのが、水がきたということで2階、3階に移動した。ただ、狭いところに大勢の人がいるので、スペースも十分でなく支給された毛布にくるまり、壁にもたれかかって夜を過ごす人の姿も見られた。

 また、停電や断水で大変不便な状況が続いている。これが今後も長く続く場合、体調不良などが心配される。