鬼怒川の堤防は「越水決壊」と推定 国交省
今月10日、茨城・常総市で鬼怒川の堤防が決壊した原因を検証する国土交通省の調査委員会は、決壊前に堤防を越えて流れた川の水が堤防を削ったことが原因の1つと推定した。
鬼怒川の堤防決壊を検証する調査委員会の初会合が28日に開かれ、水工学などの専門家らが決壊の原因を議論した。その結果、堤防が決壊する少なくとも1時間前に、堤防を越えて流れ始めた川の水が住宅地側の堤防を削ったことが、決壊の原因の1つと推定されるとした。
また、決壊した場所は上流側より最大1.2メートルほど低かったことがわかり、専門家からはこの低い堤防に川の水が集中した可能性があるとの指摘が出た。
一方で、調査委員会は、堤防内に水を通しやすい砂の層があったことで、川の水が浸透し堤防が崩れる「浸透決壊」が起きた可能性も排除できないとして、引き続き調査する方針。