常総市 堤防決壊後に川の方向へ避難誘導
記録的な豪雨で鬼怒川の堤防が決壊した茨城県常総市が、浸水被害が広がった川の東側の住民に対し、堤防の決壊後に川の方向へ逃げるよう誘導していたことがわかった。
記録的な豪雨によって常総市で鬼怒川の堤防が決壊してから15日で6日目となるが、今も15人が行方不明になっていて、警察などが捜索を進めている。
堤防は10日午後0時50分に決壊したが、常総市がその25分後に河川情報を出し、川の東側の住民に対し、堤防が決壊し、水が流れ込んでいるにもかかわらず、川の方向に避難するよう誘導していたことがわかった。
常総市安全安心課・斉藤健司課長「浸水シミュレーション図を見た結果、市内東側全域が何時間後には浸水すると予想できたので、西側はまだ決壊していない、十分に避難場所があるということで、西側に避難するという指示を出した」
常総市は隣の自治体への避難誘導は考えなかったという。
東京大学総合防災情報研究センターの田中淳センター長は「住民の命を守るには市町村の区分は関係なく、躊躇(ちゅうちょ)せずに隣の自治体にも避難させられるような仕組みをつくることが必要」と話している。