辺野古工事に着手 知事、市長とも強く反発
沖縄のアメリカ軍普天間基地の返還合意から19年。政府は、移設先の名護市辺野古で、海の埋め立てに向けた工事に着手した。現場では激しい衝突も起きている。
政府は29日午前8時から、辺野古のアメリカ軍「キャンプ・シュワブ」の陸上部で、埋め立て用の護岸工事に必要な資材置き場を整備する工事を始めた。一方、海側でも、海上ボーリング調査の再開に向けて作業が行われていて、現場ではクレーンや重機の動きが確認されている。
キャンプ・シュワブのゲート前には、早朝から抗議する市民数百人が集まり、工事用とみられる車両の行く手を塞いで、それを排除しようとする警察官と激しくもみ合った。1人が逮捕されている。
反対する沖縄県民「沖縄は差別そのものでしょ。もう、なりふり構わぬという政府の姿がはっきりしてますね」
翁長沖縄県知事と稲嶺名護市長はともに、国は強権的だと強く反発している。
稲嶺名護市長「地方自治を全く無視する形になりますし、人権までも踏みにじる行為ですので、これはとても許される行為ではない」
翁長沖縄県知事「(工事再開は)強権極まるということで、大変残念に思うが、これからしっかりと対峙(たいじ)していきたいと思っています」
また、沖縄県庁には国土交通相から、改めて海の埋め立てを承認するよう勧告する文書が届いた。しかし、翁長知事はこれに従わない方針で、29日午後、会見を開いて態度を表明する考え。埋め立て工事の着手という節目を迎え、両者の対立は決定的な状況となっている。