広島原爆資料館で大規模な発掘調査
広島市の平和公園がある場所はかつて民家が立ち並ぶにぎやかな住宅地だった。その中にある原爆資料館の敷地で大規模な発掘調査が進んでいる。
広島市中区の原爆資料館周辺で今月20日から始まった発掘調査が27日、マスコミに公開された。広島市文化財団の約30人の作業員がクワや移植ごてを使って丁寧に作業を進める。
今回の調査は、2018年春に予定されている原爆資料館本館のリニューアル工事に先立って行われるもので、本館の周辺約2200平方メートルを深いところでは1メートル50センチまで掘り、被爆当時の町並みを調べる。
被爆当時は小学生で、疎開していた平野隆信さん(80)が暮らしていた旧中島地区。被爆前は民家が立ち並び活気あふれる地区だった。原爆資料館がある場所には寺院や民家、幼稚園、それに銭湯があったという。その当時の町並みを記録するための発掘調査が進む。
平野隆信さん「こういう(発掘)作業でもして何かに皆さんに気持ちが伝わって、核の恐ろしさが伝わればいいなと思う」
調査では熱線に焼かれたとみられる瓦も見つかった。記録して保存される。
広島市文化財団・田村規充主任学芸員「昔の人から代々伝わってきた広島の町の歴史を後世に伝えていきたい」
原爆資料館周辺の発掘調査は来年3月までの予定で行われる。