全国の医師でつくる日本医師会などは９日、東京都内で集会を開き、医療機関に支払われる診療報酬が来年度の改定で削減される見通しになっていることについて、「医療が崩壊する。引き上げるべき」と訴えた。

　日本医師会の横倉会長は、「診療報酬が厳しい内容になるなら、医療従事者の賃金上昇はかなわず、疲弊し、十分な医療・介護を届けられなくなる」と述べ、来年度、診療報酬全体を引き上げるべきだと主張した。

　診療報酬は、治療ごとに医療機関に支払われる「技術料」と「薬の代金」などで、税金と保険料、患者負担でまかなわれている。政府は来年４月の診療報酬改定に向けて、全体の増減を示す「改定率」を今月下旬に決める。１％引き下げれば、国の予算が年間約１１００億円削減できるため、「引き下げ」の改定になるとみられていて、薬代だけでなく、医師の技術料部分も引き下げるかが焦点になっている。