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ソフトターゲットに課題「自主警備強化を」

2015年12月31日 1:01
ソフトターゲットに課題「自主警備強化を」

 来年の伊勢志摩サミットを控えテロ対策が課題となる中、官民一体となった警備の強化について、現場の取り組みを取材した。

 今月14日、羽田空港である機械が試験運用されていた。新しい『ボディースキャナー』だ。乗客の衣服を透視し、金属探知機では調べられなかった火薬などの不審物を発見できるという。テロ対策の1つとして羽田など4つの空港で来年度から導入される予定。

 先月発生したパリ同時多発テロ。スタジアムやレストランといった警備が比較的手薄な集客施設・ソフトターゲットが狙われ、世界に衝撃を与えた。

 日本でも、ソフトターゲットの警備が課題となっているが、警察幹部は「全てのソフトターゲットを守ることはできない」と言う。警察庁は今月、ソフトターゲットの管理者に「自主警備の強化」「手荷物検査の実施」「防犯カメラの整備」などを呼びかけるように、全国の警察に通達を出した。

 実際にどこまで対応できているのだろうか。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの会場にもなっている国立代々木競技場を取材した。この日は、レスリングの大会が開かれていた。

 国立競技場事業課・古泉修課長「(警備員は)通常は制服じゃなくて、スタッフジャンパー等でやっているけど、今回は制服の警備さんでやっています。不審物であったり、不審者を特に注意して見回るように」

 制服姿の警備員を配置し、警備を強化しているという。

 しかし、通達にある手荷物検査は全てのイベントで実施できるわけではない。監視カメラは増設を検討しているが、予算の問題で、いつになるかは未定だという。

 テロの防止に向け、民間の事業者などとの協力態勢をいかに強めていけるか、日本の警察には差し迫った課題だ。

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