国交省、建設業界の「重層構造」改善へ議論
去年発覚した杭(くい)打ち工事のデータ改ざん問題を受け、国土交通省は、建設業界の下請け構造などの問題を改善するための議論を始めた。今年6月に報告書をまとめる方針。
27日に開かれた委員会では、データ改ざんが行われた横浜市のマンションの杭打ち工事でも問題になった何重にも下請けへの発注が行われる「重層構造」など建設業界の構造的な課題について議論が行われた。
現場での分業化が進む中、元請けと下請けの責任や役割をどのように明確化するかや、受注した業務を下請けに丸投げし実質的に施行に関わらない企業を排除する方法などについて検討が行われる。
また国交省が、下請け会社に対し「しわ寄せ」について調査した結果、「元請けから契約内容の追加や変更を拒否された」「設定された工期が不適切に短かった」と答えた下請け会社は、それぞれ11%あったこという。
国交省は制度改正も視野に、今年6月に報告書をまとめる予定。