日テレNEWS
社会
2016年3月11日 23:12

浦安市と旭市 震災を風化させない取り組み

浦安市と旭市 震災を風化させない取り組み
(c)NNN

 東日本大震災では、関東地方も津波に襲われ、液状化などの被害が出た。震災の記憶を風化させないために、5年がたった今、千葉県の浦安市と旭市での取り組みを取材した。

 千葉県浦安市。東日本大震災では市域86%で液状化の被害となった。市ではそのときの被害状況や復旧・復興の記録など約3万4000点の写真や資料をインターネット上で公開する「浦安震災アーカイブ」を去年7月から始めた。

 運営は、千葉・浦安市猫実にある浦安市立中央図書館。市役所内で保管していた震災関連の文書や資料、写真、そして大学や研究機関などで作成された資料を公開している。中には地震発生から液状化が起きるまで一連を収録していた防犯カメラの映像などもあり、多岐にわたる。

 市民の体験談も186点公開されている。体験談を寄せた浦安市民・前田智幸さんは「歴史の証言を集めるっていうのはすごく大切なこと。瞬間的な映像じゃなくて、それをずっと継続的に収集していくのは大事なこと」と語る。

 震災直後、自身も被害状況を記録した前田さん。記録を生かすために、市民の声を多く集めること、次世代をになう子供たちに受け入れられる形になることなどを期待している。

 前田さん「分類とか仕分けとかはきちっとして集めれば、全体の総意として一つの形が見えてくる」

 集めたデータの中にはわかりにくい資料もあり、現在、資料を整理し、探しやすくする作業などが進められている。

 浦安市立中央図書館・鈴木均さん「膨大な数だけ集まっても、それだけでは使いにくいので、それを一つの物語が生まれるような形でちゃんと整理して使いやすくするのが図書館員の仕事」

 今後は、市民からのデータも集めたいとする図書館。震災の資料を広く公開し、後世につなぐ取り組みは先の長い事業になると考えている。

 千葉県旭市。海岸沿いの道路脇にあるキンセンカや菜の花などが植えられている花壇。ここは以前、花壇ではなかった。5年前の東日本大震災で旭市飯岡地区を最大7.6メートルの津波が襲った。この花壇は、津波被害にあった家の跡に設けられた。

 「花と緑で旭を元気にするプロジェクト協議会」会長・戸井穣さんは「震災直後に身内を亡くした方いるし、本当に悲惨な状況、今でも続いている。笑顔を取り戻していただくために、花を見て怒る人はいないので、和らいだ気持ちをみんなが持ってくれるといいかなと」と話した。

 「コミュニティーガーデン」と名付けられた花壇は、津波被害にあった場所の他学校や地域の遊歩道など10か所に設置。子供たちやボランティアの手も借り、維持管理を行っている。花で街を彩り、元気を取り戻したいとの思いと震災の記憶を後世に伝えるための活動だと戸井さんは話す。

 戸井さん「継承しなくてはならないことですのでみんなで続けていきたい、忘れていけないことは継承していきたいと考えている」

 地域に大きな被害をもたらした震災の記憶を小さな花がつないでいる。